時代を軽々と超える天才テスラのレガシー

『エジソンズ・ゲーム』では脇役だった発明家テスラの孤独な天才ぶりがよくわかる物語だ。少年テスラが電気に興味を抱いた逸話から始まり、エジソンとの確執や富豪モルガンとの蜜月と絶縁から浮かび上がるのは、ビジョナリーの功績。その一方でビジネスに必要な政治的な駆け引きに疲弊していく脆さも露呈する。M・アルメレイダ監督は、Wikipediaではわからない複雑で謎めいた発明家の人間性を追求する。舞台設定は19世紀だが友人だった富豪令嬢アン・モルガンは21世紀の視点でテスラを語るし、出資を拒否されたテスラの怒りの表明は「ルール・ザ・ワールド」熱唱。真実と創造が入り混じった、時代を超越するレガシーに目が釘付け!