主人公は荒涼とした海岸をどこまでも歩き続ける

2021年4月7日 平沢 薫 アンモナイトの目覚め ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
アンモナイトの目覚め

 鉛色の空の下で、打ち寄せる波も灰の色をしている荒凉とした海岸で、ひとり黙々と貝を拾い集める。風のせいで髪は乱れ、泥で衣類は汚れるが、ひたすら自分の求めるものを追う。そんな主人公が、ただ海を背景に歩き続けていくのを見ているだけで、伝わってくるものがある。この人物が持つ、ある種の覚悟、揺るぎなさを体現できたのは、それを演じる女優ケイト・ウィンスレットも同じようなものを持っているからではないか。
 監督の前作『ゴッズ・オウン・カントリー』同様、寒い土地でぬくもりを求める2人の物語だが、今回はそんな2人ですら思いが同じわけではない。しかし、彼らの背後に広がる空の冷たい色はよく似ている。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「CALLS コール」@AppleTV+ 、電話の音声だけで構成されたドラマだが、製作総指揮が「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督なので技あり。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(13)や「THE GUILTY/ギルティ」(18)が進化して突然変異に?

平沢 薫さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]