緊迫感と刺激を高めるためのワザが山盛り

2021年9月15日 平沢 薫 殺人鬼から逃げる夜 ★★★★★ ★★★★★

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殺人鬼から逃げる夜

 犯人に追われる主人公が無事に逃げられるのかでハラハラさせる形式のサスペンスに、その攻防戦の緊迫感と刺激を高めるための工夫がこれでもかと詰め込まれて、気を抜く暇がない。まず、主人公とその母は聴覚に障がいがあり、意思疎通は手話か筆談でしかできない。そのうえ犯人は知能犯で、周囲の人々を騙す技に長けている。さらに犯人の被害者は主人公以外にもいて、その兄もドラマに絡んでくる。それだけでもお腹いっぱいなのに場所にもワザがあり「町全体の取り壊しが決まり、ほぼ無人で真っ暗な夜の住宅街」と「人々が無数に歩いている、夜なお明るい繁華街」という対照的な2箇所で展開。そのうえ感動ドラマまである山盛りぶりに賛嘆。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ブランニュー・チェリー・フレイバー」@Netflix、いかがわしさが尋常じゃない。ハリウッドの裏側というだけで怪しいのに、そこに呪術が絡んで凄いことに。やはりハリウッドは魔窟。クリエイターのニック・アントスカとレノア・ザイオンは「Channel ZERO」@Hulu でも脚本を担当してた。

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