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第69回ベルリン国際映画祭コンペティション部門16作品紹介

第69回ベルリン国際映画祭

第68回ベルリン国際映画祭

 2月7~17日(現地時間)に開催される第69回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門16作品(※上映中止のため急きょ変更)を紹介(コンペティション外を除く)。今年の審査委員長は、『イングリッシュ・ペイシェント』『ショコラ』などのフランス人女優ジュリエット・ビノシュ。日本でも高い人気を誇る、フランス人監督フランソワ・オゾンやスペイン人女性監督イザベル・コイシェの最新作など、今回もヨーロッパを中心に世界25か国から注目の作品がエントリー。栄えある金熊賞の行方はいかに!(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香/編集部 浅野麗)

※中国の巨匠チャン・イーモウ監督作が急きょ上映中止となりました。

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<金熊賞>『シノニムズ(英題) / Synonyms』

Synonyms
(C)Guy Ferrandis / SBS Films

製作国:フランス、イスラエル、ドイツ
監督:ナダヴ・ラピド
キャスト:トム・メルシエカンタン・ドルメール

【ストーリー】 イスラエル人の若者ヨアフは、フランスという国と人々が彼を自分たちの国の狂乱から救ってくれるという希望を抱いてパリに到着するが……。

【ここに注目】 長編劇映画初監督作の『ポリスマン(英題) / Policeman』がロカルノ国際映画祭で特別審査員賞を受賞したほか、数々の映画賞を受賞し注目されたイスラエル出身のナダヴ・ラピド監督。2作目の『ザ・キンダーガーテン・ティーチャー(英題) / The Kindergarten Teacher』は、カンヌ国際映画祭批評家週間で上映された。世界三大国際映画祭のコンペティション部門には初めての選出となるが、注目の存在として、さらなる関心を集めることになりそう。

<審査員賞>『バイ・ザ・グレース・オブ・ゴッド(英題) / By the Grace of God』

製作国:フランス
監督:フランソワ・オゾン
キャスト:メルヴィル・プポードゥニ・メノーシェ

【ストーリー】 フランス、リヨン。妻子と暮らすアレクサンドルは、少年時代に自身を虐待した神父が、儀式の際、未だに子供を伴っていることを知る。アレクサンドルは神父の被害者であるほかの二人と共に、被害者たちの「言葉の解放」のために戦うことを決める。

【ここに注目】 三大国際映画祭の常連であるフランソワ・オゾン監督の新作は、実際に起きた聖職者による児童への性虐待事件を基にしたシリアスなドラマ。1980年代から90年代にかけて性被害を受け、被害者団体を立ち上げた人物がモデルになっている。『ぼくを葬る(おくる)』『ムースの隠遁』といったオゾン作品に出演するメルヴィル・プポーが主演し、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルローなど注目のフランス人俳優らが共演する。

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<最優秀監督賞>アンゲラ・シャーネレク『アイ・ワズ・アット・ホーム・バット(英題) / I Was at Home, but』

I Was at Home, but
(C)Nachmittagfilm

製作国:ドイツ、セルビア
監督:アンゲラ・シャーネレク
キャスト:マレン・エッゲルトフランツ・ロゴフスキ

【ストーリー】 13歳の少年が突然失踪して1週間、汚れ、変わり果てた姿となった少年は何も言わずに帰宅する。日々の生活は、徐々に元通りになっていくのだが……。

【ここに注目】 監督のアンゲラ・シャーネレクは、トーマス・アルスランクリスティアン・ペッツォルトらと共に2000年代に台頭した「ベルリン派」と呼ばれる新潮流の監督の一人。舞台女優として活動した後、演出を学び映画監督へと転じた。三大国際映画祭でのコンペティション参加は初めてとなる。『まともな男』のマレン・エッゲルトや『未来を乗り換えた男』で主演を務めたフランツ・ロゴフスキが出演する。

<最優秀女優賞>ヨン・メイ/<最優秀男優賞>ワン・ジンチュン『ソー・ロング・マイ・サン(英題) / So Long, My Son』

So Long, My Son
(C)Li Tienan / Dongchun Films

製作国:中国
監督:ワン・シャオシュアイ
キャスト:ワン・ジンチュンヨン・メイ

【ストーリー】 改革開放とその後に訪れる激動の波……1980年代から現代までの中国を舞台に、2組の夫婦が直面するさまざまな変化、受け入れざるを得ない運命を描く。

【ここに注目】 『我らが愛にゆれる時』で、第58回ベルリン国際映画祭の銀熊賞(脚本賞)を受賞したワン・シャオシュアイ監督。新作は、中国社会の変遷とその中で生きる人々を描いた人間ドラマで、シャオシュアイ監督がアー・メイと共同で脚本を執筆した。第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した『薄氷の殺人』のワン・ジンチュンや、『二重生活』のチー・シーらが出演している。

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<アルフレート・バウアー賞>『システム・クラッシャー(英題) / System Crasher』

System Crasher
(C) kineo Film / Weydemann Bros. / Yunus Roy Imer

製作国:ドイツ
監督:ノラ・フィングシャイト
キャスト:ヘレナ・ツェンゲルアルブレヒト・シュッヘ

【ストーリー】 9歳の少女ベニーは「システム・クラッシャー」と呼ばれる存在。乱暴で予測不能、里親の元や子供たちのコミューン、特殊学校からも追い出されてしまう。そんな彼女の暴力を抑制する指導をしているミシャは、ベニーを怒りと攻撃性の悪循環から解放しようと試みる。

【ここに注目】 短編や中編、ドキュメンタリーなどで実力を磨いてきた、ドイツ出身の女性監督ノラ・フィングシャイトの長編劇映画デビュー作。昨年、ベルリン国際映画祭で設立された、ドイツを拠点とする監督や脚本家を助成するプログラム「The Kompagnon Fellowship」に選出されたのが、本作の脚本だけに、その完成作品への期待が高まる。

<最優秀脚本賞>マルリツィオ・ブラウッチ、クラウディオ・ジョヴァンネージ、ロベルト・サヴィアーノ『ピラニアズ(英題) / Piranhas』

製作国:イタリア
監督:クラウディオ・ジョヴァンネージ
キャスト:フランチェスコ・ディ・ナポリアル・テム

【ストーリー】 ナポリで暮らす15歳のニコラと友人たちは、お気に入りの洋服や新しいスクーターを手に入れるため、リッチになることを夢見ていた。まだ若くて刑務所も死をも恐れぬ彼らは、遊びのように武器を携え、サニタ地区を自分たちの支配下に置こうとする。

【ここに注目】 『青い眼のアリー』が第7回ローマ国際映画祭の審査員特別賞に輝き、『Fiore』が第69回カンヌ国際映画祭監督週間で上映されたイタリアの俊英クラウディオ・ジョヴァンネージ監督による犯罪ドラマ。映画『ゴモラ』の原作「死都ゴモラー世界の裏側を支配する暗黒帝国」の著者ロベルト・サヴィアーノによる同名フィクションを映画化。昨今、勢いのあるイタリア映画界注目の気鋭監督が、ベルリン国際映画祭に殴り込みをかける。

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