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2016年 第68回エミー賞スペシャル

未見のアナタ、人生ソンしてます!「ブレイキング・バッド」が伝説になったワケ 海ドラ座談会企画PART1(5/6)

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困っている人を見るのは面白い

司会:ほかに、「実はここが面白い」的ツボはありますか?

犬塚:基本的には静かなトーンのドラマなんだけど突然勃発するアクションがすごくクオリティーが高い。特に印象に残っているのはシーズン3の第7話。カルテルの兄弟にハンクが駐車場で襲われるシーンがあるんですけど、ここは素晴らしい。マイケル・マン『ヒート』(1995)とかを意識しているのかなという気がするけど、そんなに広くない場所で、しかもそんなに銃弾も何発も飛び交うわけでもないんだけど、緊迫感、迫力がすごくて生々しい。あそこだけ何回も観てしまうほどで、アクション映画好きにもお勧めしたいですね。

池田:確かにあのシーンはすごいですね。2対1の戦いの構図になっていて、あそこも西部劇を意識しているのかもしれない。

今:あとは「BB」は過激でブラックな笑いの描写もいいですよね。シーズン2の第7話でカメが首を運んで来たり、怖いしイタいんだけど、なんだかおかしいというか。

池田:洗車場ビジネスを始めてマネーロンダリングとか、笑える人には本当に笑えると思う。なんていうか、笑うしかないほど怖いときってあると思うんですよね。そういう世界なのかなと。

司会:ウォルターの高校の備品室で、刑事で義兄のハンクが麻薬精製に使われたガスマスクを探している最中で、ジェシーから電話がかかってきたりとか、あまりに危機的状況すぎて笑っちゃいますよね。

犬塚:単に人が困っている状況を見るのは面白い(笑)。シリーズを通してそう言えるかもしれない。

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アンソニー・ホプキンスも絶賛したクランストンの名演

ブレイキング・バッド
赤ちゃんを相手に、名アドリブを披露しスタッフを圧倒したクランストン(C)AMC / Photofest/ ゲッティイメージズ

池田:あとシーズン2の第1話、シーズン5の第9話ではブライアン・クランストンが監督しているでしょ。監督もバラエティーに富んでいますよね。『LOOER/ルーパー』(2012)のライアン・ジョンソンも参加しています。

犬塚:クランストンが監督したシーズン3の第1話には彼の実の奥さんと娘さんが出演しているんですよね。あと、シーズン5の第14話で、ウォルターがホリーを抱っこしているときに「ママ、ママ」と泣き出すんだけど、あれは実はアクシデントで本当にあの赤ちゃんがママを探していたそうなんです。で、普通だったらストップしそうなところをクランストンは全く動じずに赤ちゃんのアドリブに合わせた演技を続けたとか。

ブレイキング・バッド
テレビ界のアカデミー賞とされるエミー賞で4度主演男優賞に輝いたブライアン・クランストン Jason Merritt / Getty Images Entertainment / Getty Images

今:コメディーの演技も秀逸な俳優って、そういう瞬発力、アドリブに強いですよね。これはクランストンなしにはあり得ないと思うぐらい、本当に彼の演技はすごいと思う。シーズンごとに写真を並べたら確実に顔つきが変わっていてアンソニー・ホプキンスが「BB」に感激してクランストンとスタッフに宛てた手紙を書いたというのも、確かにこの作品のクランストンを観ればこんなドラマに出演したいと思うはずですよね。映画でつまらない脇役を演じるよりも、こういうドラマに出たいと思うんじゃないでしょうか。それぐらいクランストンが作り上げたウォルターというキャラクターはカリスマなんだと思います。

池田:クランストンは今60歳だけどハリウッド生まれで役者をやっていて、テレビのゲストスターとかで活躍していたのが、テレビのコメディードラマ「マルコム in the Middle」(2000~2006)でエミー賞にノミネートされたけど、そのときには40歳を過ぎていたという。

司会:遅咲きのスターなんですね。

池田:例えるなら、浅草生まれの売れない芸人さんのような。ホンモノの役者バカなんだと思う。

>次ページは、クランストン主演映画『トランボ』の出来栄え

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