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コンペティション部門作品紹介

第66回ヴェネチア国際映画祭

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コンペティション部門 - In Competition

01

『ソウル・キッチン』(原題)

『ソウル・キッチン』(原題)
製作国:
ドイツ
監 督:
ファティ・アキン
出 演:
アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、ビロル・ユネル
ストーリー
不運続きのジノ。恋人は上海へ旅立ち、仕事のレストラン経営も不調。何とか持ち直してきた店を兄弟に任せて、ジノは恋人のもとへ行こうと決意する。ところが、すでに新しい彼ができた恋人にフラれ、帰ってみると店は閉店。しかし、店を取り戻す最後の望みがジノにはあった。
ここに注目!
映画『愛より強く』でベルリン国際映画祭金熊賞、さらに映画『そして、私たちは愛に帰る』ではカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した、トルコ系ドイツ人監督ファティ・アキンが本映画祭に初ノミネート。舞台はいつものようにハンブルグだが、ギリシャ・レストランの経営者に降り掛かるドタバタを描く初のコメディー作品。新しい作風を試みるアキン監督への反響に期待せずにいられない。
02

『ラ・ドッピア・オラ』(原題)

『ラ・ドッピア・オラ』(原題)
製作国:
イタリア
監 督:
ジュゼッペ・カポトンディ
出 演:
クセニア・ラパポルト、フィリッポ・ティミ、ジョルジョ・コランジェリ
ストーリー
ホテルのウエートレスとして働くソニアはある日、別荘の管理を任されている元警察官のグィドと出会う。二人は短い逢瀬の時間を楽しみ、彼女は次第に彼に惹(ひ)かれていくが、そんなことはソニアにしてみれば初めての出来事で……。
ここに注目!
斬新なミュージック・ビデオを手掛ける映像界の新鋭、ジュゼッペ・カポトンディが初めて監督に挑んだサイコ・スリラー。初監督作品ながら、由緒ある本映画祭のコンペ部門に出品されたことからも本作の完成度の高さがうかがえる。イタリア北部の街・トリノを舞台に重厚なストーリーを紡ぎ出した新人監督への注目度は高いことから、その評価も気になるところだ。
03

『アクシデント』(英題)

『アクシデント』(英題)
製作国:
香港
監 督:
ソイ・チェン
出 演:
ルイス・クーリッチー・レンミシェル・ヨー
ストーリー
事故に見せかけてターゲットを始末するプロの暗殺集団は、ほぼ100パーセントの成功率を誇っていた。だが、ある日彼らは珍しく与えられた任務に失敗してしまう。その背後に陰謀の匂いを嗅ぎ付けたメンバーたちは敵の裏をかこうとするが……。
ここに注目!
映画『ドッグ・バイト・ドッグ』や映画『軍鶏 Shamo』のソイ・チェン監督がメガホンを取ったハードなアクション映画。世界的な映画祭に出品するのは初めてだが、硬派な男のドラマを描かせたら彼の右に出る者はいない。出演者も映画『コネクテッド』のルイス・クーや、歌手としても活躍する映画『エグザイル/絆』のリッチー・レンら豪華スターが集結しているだけに、国際舞台での評価が楽しみだ。
04

『ペルセキュシオン』(原題)

『ペルセキュシオン』(原題)
製作国:
フランス
監 督:
パトリス・シェロー
出 演:
ロマン・デュリスシャルロット・ゲンズブールジャン=ユーグ・アングラード
ストーリー
恋人ソニアへの愛と憎しみにさいなまれ、ダニエルは気が休まることがなかった。ある日、ダニエルの部屋にどこからともなく男が乱入してくる。そして、見知らぬ訪問者は日に日にダニエルとソニアの関係を脅かしはじめる。
ここに注目!
映画『PARIS(パリ)』のロマン・デュリスと今年5月のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したばかりのシャルロット・ゲンズブールという、フランスの2大人気俳優が初共演。監督のパトリス・シェローは映画『王妃マルゴ』でカンヌ国際映画祭審査員賞、映画『インティマシー/親密』ではベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。2005年以来2度目の本映画祭で賞を受賞し、三大映画祭での快挙なるか!?
05

『ロ・スパジオ・ビアンコ』(原題)

『ロ・スパジオ・ビアンコ』(原題)
製作国:
イタリア
監 督:
フランチェスカ・コメンチーニ
出 演:
マルゲリータ・ブイグイド・カプリーノ、サルヴァトーレ・カンタルーポ
ストーリー
40代、シングルマザーの教師は予定日より3か月早く出産し、生まれた子どもはすぐに保育器の中で集中ケアを受けることになった。母親はその後3か月の間、自分の娘が本当の意味でこの世に“誕生”するまで、じっと見守り続ける……。
ここに注目!
本作は、映画『愛と欲望 ミラノの霧の中で』のフランチェスカ・コメンチーニ監督が、同名の小説を映画化したヒューマンドラマ。監督はイタリア国内での評価は高いものの、大きな国際映画祭への参加はこれが2度目。『MI PIACE LAVORARE-MOBBING』(原題)で2004年ベルリン国際映画祭パノラマ部門エキュメニック審査員賞を受賞した実力派の監督だけに、受賞の可能性は高い。
06

『ホワイト・マテリアル』(原題)

『ホワイト・マテリアル』(原題)
製作国:
フランス
監 督:
クレール・ドニ
出 演:
イザベル・ユペールニコラ・デュヴォシェルイザック・ド・バンコレ
ストーリー
アフリカのある国で、3代続くコーヒー農園のブラン家。内戦のさなか、コーヒーの収穫をあきらめようとはしないマリア。しかし、マリアも元夫のアレックスも、農園に反乱軍のリーダーが隠れているとは気付かず……。
ここに注目!
映画『ネネットとボニ』のクレール・ドニ監督が幼少時代を過ごしたアフリカを舞台にした内戦と家族の物語に、実力派イザベル・ユペールとクリストフ・ランバートを迎えた新作。フェミナ賞受賞のセネガル系フランス人女流作家、マリー・ンジャエが初めて映画脚本を担当したとのこと。映画界に入ったドニ監督が最初に助監督としてついた、巨匠ジャック・リヴェット『36・ヴュ・デュ・ピック・サン・ルー』(原題)との師弟対決も見どころ。
07

『ミスター・ノーバディー』(原題)

『ミスター・ノーバディー』(原題)
製作国:
フランス
監 督:
ジャコ・ヴァン・ドルマル
出 演:
ジャレッド・レトーダイアン・クルーガーサラ・ポーリー
ストーリー
駅のホームで少年ネモは迷っていた。出発しようとする列車に乗る母親について行くべきか、父親と残るべきか……。そして2092年、120歳になったネモ・ノーバディーは不死の世界でただ一人生き残った“旧人間”だった。彼は自分にとって正しい生き方を選んできたか自問するのだった……。
ここに注目!
映画『トト・ザ・ヒーロー』のジャコ・ヴァン・ドルマル監督が、映画『八日目』から何と13年ぶりに手掛けた不思議なファンタジー。キャストも映画『チャプター27』のジャレッド・レトーや映画『死ぬまでにしたい10のこと』のサラ・ポーリーなど個性的なキャストが集まった。寡作だけどファンも多いドルマル監督、初の本映画祭で待望の新作がどう評価されるのか期待が高まる。
08

『ルルド』(原題)

『ルルド』(原題)
製作国:
オーストリア
監 督:
ジェシカ・ハウスナー
出 演:
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキシルヴィー・テステュー、レア・セイドゥ
ストーリー
体の不自由なクリスティーネは、日々孤独な車椅子生活を送っていた。そんな鬱屈(うっくつ)した生活を変えるため、巡礼の旅に出ることを決意する。彼女はただ一心に、ピレネー山脈のふもとにある巡礼の聖地ルルドを目指すのだった。
ここに注目!
イタリア出身の国際派女優、映画『プロヴァンスの贈りもの』などのヴァレリア・ブルーニ・テデスキ主演の感動作。脚本と監督を手掛けたのは、オーストリア出身の映画『Lovely Rita ラブリー・リタ』や映画『Hotel ホテル』のジェシカ・ハウスナー。前2作品がカンヌ国際映画祭ある視点部門に正式出品しているだけに、ヨーロッパ受けする監督として今回も大きな期待がかかる。
09

『バッド・ルーテナント:ポート・オブ・コール・ニュー・オリンズ』(原題)

『バッド・ルーテナント:ポート・オブ・コール・ニュー・オリンズ』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
ヴェルナー・ヘルツォーク
出 演:
ニコラス・ケイジエヴァ・メンデスヴァル・キルマー
ストーリー
ニューオリンズ警察の警部補、テレンス・マクドナーはケガの治療に強い薬を服用したことからドラッグにはまり、さらにはセックスでの買収も日常茶飯事になっていた。そんな中、アフリカ系移民殺害事件の捜査をすることになったマクドナーだったが……。
ここに注目!
ハーヴェイ・カイテル主演の映画『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』にインスパイアされたドイツの鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が、ニコラス・ケイジを悪徳刑事役にキャスティングしてバッド・ルーテナントの新バージョンを製作。カンヌ、ベルリンでは監督賞と銀熊賞を受賞するも、ヴェネチアのコンペ部門では過去に2度出品しながら無冠。3度目の正直となるか!?
10

『ザ・ロード』(原題)

『ザ・ロード』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
ジョン・ヒルコート
出 演:
シャーリーズ・セロンヴィゴ・モーテンセンガイ・ピアース
ストーリー
ある天災が突然地球を襲った10年後、ほとんどの動植物は死に絶え、生き残った人類は“食人族”と化していた。その悪夢のような世界で、父と息子ははかない希望を求め、飢餓や凍死という危険を冒して南へと向かう旅に出る。
ここに注目!
ピューリッツア賞を受賞した同名のベストセラー小説を、映画『プロポジション -血の誓約-』のジョン・ヒルコート監督が映画化したヒューマンドラマ。文明社会が消滅した世界で人間らしく生きようとする父子の試練を描く。監督は映画『亡霊の檻』で1988年の同映画祭ではPrize of the Students of the University 'La Sapienza'を受賞しており、今回も賞レースの上位に食い込むこと必至。
11

『ビトウィン・ツー・ワールド』(英題)

『ビトウィン・ツー・ワールド』(英題)
製作国:
スリランカ
監 督:
ヴィムクヒティ・ジャヤサンダラ
出 演:
カウシャーラヤー・フェルナンド
ストーリー
青年が暮らす都会では暴力による対立が日常と化し、街は荒みきっていた。そんな荒廃した場所での暮らしに嫌気がさした彼は、いまだに古い慣習を大切に守り、昔ながらの生活を送る人々が暮らす美しい渓谷のある村へと向かう。
ここに注目!
『Sulanga Enu Pinisa』(原題)で2005年のカンヌ国際映画祭新人監督賞(カメラドール)を受賞したスリランカ出身のヴィムクヒティ・ジャヤサンダラの最新作。いまだに紛争の絶えない世界に向けて、平和へのメッセージを贈る。お隣の映画大国インドに比べればまだまだ認知度の低いスリランカ映画だが、同国では初めて国際的地位を確立した監督への期待は膨らむ。
12

『ザ・トラベラー』(英題)

『ザ・トラベラー』(英題)
製作国:
エジプト
監 督:
アーメド・マハール
出 演:
オマー・シャリフ、ハレド・エル・ナバウィ
ストーリー
1948年のポートサイド、1973年のアレクサンドリア、そして2001年のカイロというまったく異なる3つの時代と場所で生きる男。一人のごく平凡な男性が送る、年代も生活する場所もそれぞれに違う3つの人生をさまざまな角度から見せる。
ここに注目!
映画『アラビアのロレンス』でアカデミー賞にもノミネートされたエジプトの伝説的名優、オマー・シャリフが16年ぶりに母国エジプトの映画に出演。これが長編デビュー作となる新鋭のアーメド・マハールがメガホンを取る。本作はエジプト文化賞が30年ぶりに映画製作にかかわった記念すべき作品だけに、国家の威信を賭けた本作がどのような結果を生むのか注目の的だ。
13

『レバノン』(原題)

『レバノン』(原題)
製作国:
イスラエル
監 督:
サミュエル・マオズ
出 演:
ヨアヴ・ドーナット、イタイ・ティランオシュリ・コーエン
ストーリー
1982年6月、戦闘経験のない4人の若い兵士からなる小隊が戦車“パットン”での任務に配置された。第一のミッションはレバノンに侵攻し、パレスチナ解放機構のテロリストを一掃することだったが、悪夢のような状況の中で殺すか殺されるかの選択を迫られることになり……。
ここに注目!
本作で長編劇映画デビューを果たすイスラエル人監督サミュエル・マオズによる、シーンのほとんどが戦車内で撮影されたという異色の密室劇風戦争映画。映画『ボーフォート -レバノンからの撤退-』のヨセフ・シダー監督、映画『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン監督など、イスラエル軍での実体験を基にレバノン戦争を描いた作品が近年国際的評価を受けているだけに、賞レースにどう絡むか要チェックの作品だ。
14

『キャプタリズム:ア・ラブ・ストーリー』(原題)

『キャプタリズム:ア・ラブ・ストーリー』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
マイケル・ムーア
出 演:
マイケル・ムーア
ストーリー
ドキュメンタリー監督、マイケル・ムーアがウォール街を襲撃。ウォール街では、また大企業は、いかにして庶民の金を巻き上げているのか。金融危機における詐欺的行為を告発し、世界大不況の真実を暴く。
ここに注目!
本映画祭のコンペ部門にドキュメンタリー作品としては初めて選出されたマイケル・ムーア監督。映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞、映画『華氏911』ではカンヌ国際映画祭のパルム・ドールをそれぞれ受賞するという快挙をすでに達成。「最後の作品になるかもしれないと思いながら撮った」というほどの意欲作でヴェネチアに旋風を巻き起こすことは間違いない。2009年12月、日本公開予定。
15

『ウィメン・ウィズアウト・メン』(英題)

『ウィメン・ウィズアウト・メン』(英題)
製作国:
ドイツ
監 督:
シリン・ネシャト
出 演:
ペガー・フェリドン、シャブナム・トロウエ、オルシ・トート
ストーリー
1953年、民主的に選出されたイランの首相を不満に思ったアメリカは、シャーによる独裁政権を後押しする。そのような時代の娼婦、上流の既婚女性、活動家、敬虔(けいけん)なイスラム教徒という異なる階級の4人の女性にスポットを当てる。
ここに注目!
イラン出身で、現在はニューヨークを中心に活動する映像作家、シリン・ネシャトが初めて長編に挑んだ意欲作。イラン人小説家Shahrnush Parsipurのマジック・リアリズム小説を映画化し、イラン社会における女性の姿を生き生きと見せる。1999年にヴェネチア・ビエンナーレ(ヴェネチアで開催される国際美術展覧会)で優秀賞である金獅子賞を受賞した気鋭の女性現代美術作家の作品が、映画界ではどう評価されるのかが注目。
16

『イル・グランデ・ソグノ』(原題)

『イル・グランデ・ソグノ』(原題)
製作国:
イタリア
監 督:
ミケーレ・プラチド
出 演:
リッカルド・スカマルチョジャスミン・トリンカ、ルカ・アルジェンテロ
ストーリー
1960年代の終わりごろ、青年ニコラの夢は俳優になること。大学で出会ったのは、学生運動のリーダーであるローラだった。折しもちょうど学生運動の盛んな時期で、収入を得るために警察官の職を得た彼は、自分と同じ年ごろの学生たちを取り締まらなければならなくなる。
ここに注目!
映画『美しき少年/エルネスト』で1979年ベルリン国際映画祭男優賞を受賞したイタリアの名優、ミケーレ・プラチドがメガホンを取った自伝的作品。1960年代の学生運動に揺れる若者たちの青春を描く。彼は2006年の同映画祭に監督として映画『野良犬たちの掟』も出品している実力派。これまでの俳優、そして監督としての輝かしい実績を見ればその才能は一目瞭然(りょうぜん)だ。
17

『36・ヴュ・デュ・ピック・サン・ルー』(原題)

『36・ヴュ・デュ・ピック・サン・ルー』(原題)
製作国:
フランス
監 督:
ジャック・リヴェット
出 演:
ジェーン・バーキン、セルジオ・カステリットアンドレ・マルコン
ストーリー
夏が訪れるころ、小さなサーカス団の団長が急に息を引き取った。一座は団長の長女ケイトを呼び寄せることを決意。そこに偶然にもイタリア人男性、ヴィットリオが現れる。ヴィットリオは少しずつサーカス団に溶け込んでいくが……。
ここに注目!
監督デビューから約50年、映画『美しき諍い女(いさかいめ)』『ランジェ公爵夫人』のジャック・リヴェット監督が初の本映画祭ノミネート。タイトルの“ピック・サン・ルー”とはフランスの南、ラングドック地方にある山のこと。撮影もこの地方で行われた。ヒロインを演じるジェーン・バーキンは、映画『ペルセキュシオン』に出演している娘のシャルロット・ゲンズブールと共に本映画祭に参加。母娘の女優賞争いにも注目したい。
18

『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(原題)

『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
ジョージ・A・ロメロ
出 演:
アラン・ヴァン・スプラング、ケネス・ウォルシュ、デヴォン・ボスティック
ストーリー
北アメリカ沿岸の小島。ゾンビになった家族や友をどうすることもできないなか、ゾンビを殺したある男が島流しにされてしまう。本土に着いた彼は、やがて生き残りの集団と合流。ゾンビから奪った船で島に着いた彼らは、ゾンビたちの信じられない光景を目にする。
ここに注目!
多くのホラー名作を生んだイタリアの地に、ゾンビ映画の大御所、ジョージ・A・ロメロ監督の最新ゾンビ映画が選ばれたのは注目すべきこと。ロメロ監督がホラーやSF系以外の映画祭に登場することはまれで、もちろん世界三大映画祭のコンペ部門は初の選出。40年前のデビュー作から始まり、毎回趣向を変えて6作目のデッド・シリーズ。ゾンビ映画というジャンルで初の金獅子賞なるか注目。
19

『ライフ・ドゥアリング・ウォータイム』(原題)

『ライフ・ドゥアリング・ウォータイム』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
トッド・ソロンズ
出 演:
キアラン・ハインズ、エマ・ヒンツ、シャーロット・ランプリング
ストーリー
極限状態にある戦時下において、友人や家族、恋人同士の間で次々と予想もしなかった事態が巻き起こる。彼らはそのトラブルの解決の糸口を見つけようともがきながら、お互いに対する愛情や寛容さ、生きる目的などを模索する。
ここに注目!
アメリカの鬼才トッド・ソロンズ監督による毒のあるコメディー。1996年に映画『ウェルカム・ドールハウス』がベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞。1998年には映画『ハピネス』がカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。本映画祭には2004年のコンペ部門に映画『おわらない物語 アビバの場合』を出品するなど批評家受けもいい監督だけに、賞レースへの期待度もトップクラス。
20

『バアリア』(原題)

『バアリア』(原題)
製作国:
イタリア
監 督:
ジュゼッペ・トルナトーレ
出 演:
フランシスコ・シアナ、マルガレッチ・メデ、ラウル・ボヴァ
ストーリー
チッコ、ペッピオ、さらにはユトリロとシチリアで3世代続くある一家。1930年代のファシズムの時代、チッコは詩や小説を愛する貧しい羊飼いだった。一方、第二次世界大戦のころ、息子のペッピオは不正行為に出くわしたことから政治活動に情熱を注ぐことになる。
ここに注目!
本年のオープニング作品に選ばれた、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作。監督の出身地バゲーリアのシチリアなまりである、タイトルのバアリアが示す通り、個人的体験に基づくストーリーが繰り広げられる。モニカ・ベルッチやラウル・ボヴァなど、キャスティングされたのはイタリア人俳優たち。トルナトーレ監督への初金獅子賞で、地元での華々しいフィナーレを飾りたいところだ。
21

『TETSUO THE BULLET MAN』

『TETSUO THE BULLET MAN』
製作国:
日本
監 督:
塚本晋也
出 演:
エリック・ボジック桃生亜希子、塚本晋也
ストーリー
東京。3歳の息子を何者かの手によって殺されたアンソニーは、父・ライドの研究が息子の殺害と関係していることを知る。その真実に怒りを感じたアンソニーの身体からは黒いオイルがあふれ出し、筋肉は剥き出しの鋼鉄へと変ぼうを遂げる。
ここに注目!
映画『鉄男 TETSUO』によって名声を高めた塚本晋也監督が、20年ぶりに原点に戻り手掛けた21世紀版の鉄男が本映画祭に登場。カンヌ、ベルリンを含む世界三大映画祭の一つ、本映画祭への初ノミネートで、カルト人気にとどまらない国際的な評価を示した。東京を舞台に主人公はアメリカ人、全編英語での展開と、世界をにらんだ最新作。コンペ唯一の日本映画としても、賞レースに食い込めるか興味は尽きない。2010年、日本公開予定。
22

『プリンス・オブ・ティアーズ』(英題)

『プリンス・オブ・ティアーズ』(英題)
製作国:
台湾、香港
監 督:
ヨン・ファン
出 演:
ファン・チィウェイ、テリー・クァン、ジョセイフ・チャング
ストーリー
1950年代台湾、中国本土を追われた蒋介石率いる国民党が、現地民を弾圧した“白色テロ”の吹き荒れた暗黒の時代。その激動の時代を駆け抜けた空軍将校とその美しい妻、そして将軍と魅力的な妻4人が織りなす人間模様を描く。
ここに注目!
映画『美少年の恋』や映画『桃色 Colour Blossoms』などの耽美派、ヨン・ファン監督の最新作。1950年代、政治弾圧に揺れた台湾に生きた人々の姿を映し出す。アジア圏では名の通った監督だが、世界三大映画祭への出品はこれが初めて。今回の審査委員長は台湾出身のアン・リー監督で、その故郷を舞台にした物語を、香港で活躍する中国出身の監督が撮ったというのも興味深い。
23

『ア・シングル・マン』(原題)

『ア・シングル・マン』(原題)
製作国:
アメリカ
監 督:
トム・フォード
出 演:
コリン・ファースジュリアン・ムーアマシュー・グード
ストーリー
ロサンゼルスで暮らすゲイのイギリス人教授のもとに、ある日、無情にもそのパートナーである男性の訃報が届く。彼はあまりにも突然の別れに打ちひしがれる。
ここに注目!
元グッチのデザイナーでファッション界の実力者、トム・フォードが初監督を務めた話題作。クリストファー・イシャーウッドの同名小説を映画化し、パートナーを失ったゲイのイギリス人教授の何気ない1日をつづる。今回の審査員にはフランスの女優サンドリーヌ・ボネールや女性監督リリアーナ・カヴァーニらが名を連ねるため、官能的な本作にもチャンスありの予感大!
24

『マイ・サン、マイ・サン、ワット・ハブ・ヤ・ダン?』(原題)

dummy
製作国:
アメリカ、ドイツ
監 督:
ヴェルナー・ヘルツォーク
キャスト:
マイケル・シャノンウィレム・デフォークロエ・セヴィニー
ストーリー
息子が母親を殺害する事件が起きた。血の海と化した現場に到着した警察官や近隣住民たち。容疑者となった息子は人質を連れ、立てこもった。古代ギリシャの悲劇と現代に起きる殺人事件が交錯するサスペンス。
ここに注目!
すでにニコラス・ケイジ主演『バッド・ルーテナント:ポート・オブ・コール・ニュー・オリンズ』(原題)がコンペに出品されているヘルツォーク監督。これまで本映画祭コンペ部門では無冠だが、今回異例の2作コンペ部門選出で、念願の金獅子賞受賞が期待される。
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