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ロスト・イン・パリ (2016):映画短評

ロスト・イン・パリ (2016)

2017年8月5日公開 83分

ロスト・イン・パリ
(C) Courage mon amour-Moteur s'il vous plait-CG Cinema
森 直人

巴里の空の下セーヌは流れる

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

日本公開は7年ぶりとなるアベル&ゴードンの新作(ブルーノ・ロミは不参加)。クセになるスタイルは一段と磨きが掛かり、「もっと(他の作品も)観たい」という気持ちにさせられる人達だ。今回は伝統的な仏映画のコミカライズ版といった趣。パントマイムを基盤に、色使いまで計算され尽くした可愛いタッチが貫かれ、主に描かれるのは本人達の言葉を借りると「橋の下のパリ」だ。

カナダの田舎からやってきたマンガ的な喪女と、シーニュ島(小型の「自由の女神」像がある)にテントを張るセーヌの放浪者。「下層」から人生をライトアップし、殺伐とした現代に古典的な明るい光をもたらす。道化師ならではの洗練された風刺に全編惚れぼれ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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