レンタル・ファミリー (2025):映画短評
ライター4人の平均評価: 5
異邦人in東京、人とのつながりからみえる大切なもの
人と人のつながり、さらにいえば情の物語。とはいえベタベタではなく、HIKARI監督の自然体の演出に気持ちよく誘われる。
“家族”を演じる仕事を得た東京在住アメリカ人俳優の視点で進行するドラマは、ひとりの少女とひとりの老人の間を行き来しながら静かに熱を帯びていく。ただの仕事から、“つながり”への転換。それを表現したB・フレイザーの繊細な演技も素晴らしい。子役との共演場面では、巨体ゆえのトトロ的な安心感が絵的に光った。
狭いのにたくさん人がいる東京での、生活風景の生々しさも魅力。外国人を主人公にした海外資本の作品で、東京をワンダーランドにせず、リアルにとらえた作品は珍しい。
人種や文化が違っても人は人なのだ
「37セカンズ」でも人間愛をたっぷりと表現したHIKARI監督が、またもや優しさに満ちた映画を作った。高校時代に大阪からユタ州に留学した彼女自身の個人的な経験を元に、人種や文化が違っても人は人、心を通わせて助け合うことはできるのだと語る。日本の描写に外国人的目線が感じられるのも、主人公フィリップがアメリカ人なので納得。ひとつ前の映画「ザ・ホエール」でドラマチックな演技を見せ、オスカーを受賞したブレンダン・フレイザーは、今作でやはり持ち前であるコメディのセンスを披露。楽しませてくれ、最後には素直に良い気持ちにしてくれる作品。日本人女性がハリウッドでこんな優れた映画を作ることを、心から祝福。
心の底にある良心の映画
ブレンダン・フレイザーが”ある人を演じる役者を演じる”不思議な構造の物語。彼の大きな体を窮屈そうにしながら日本で暮らすその姿だけでも、何とも言えないユーモアを感じさせてくれて、こそれだけでも十分元を取った感じがあります。メッセージ性を持たせつつもここまでエンターテインメントに映画を寄せてきたHIKARI監督の手腕には驚かされました。共演する日本人キャストもとても効果的です、平岳大と山本真理はオスカー俳優と相対しながらも霞まずに大健闘、柄本明は相変わらずまぁ見事な存在感ですし、新鋭ゴーマンシャノン眞陽はこれからが楽しみです。物語の底辺にずっと人の良心への期待と信頼が感じられます。
一応ハリウッド作品ながら観やすさと共感度は日本映画のごとく
短いカットで繰り出される日本の風景。これが海外出身監督なら、ひとつひとつをじっくり見せそうだが、日本人監督ならではの軽やかなスケッチ感覚で心地よく流れていく。
「代理家族」の仕事を巡るドラマは、ある程度、展開が読めるにもかかわらず、脚本と演技の安定感で、あまりに素直な感動へ引き込まれた。洗練と優しさ。新感覚なのに誰にも伝わる温かさ。大げさに言えば、映画本来の魅力が、あざとくなく詰まった珠玉作。
満員電車で身を縮めて日本人に溶け込み、一方で大らかな存在感と気質で相手の心を解放するB・フレイザーに癒されまくるのは確実。
外国人問題に限らず人と人の「共生」という意味でも多くのメッセージを受け取れる。
























