世界でいちばん長い写真 (2018)：映画短評

近年、増え続ける“武田梨奈ムダ遣い映画”の一本であることに間違いないが、引っ込み思案で、ボンクラな主人公を演じる高杉真宙が、松本穂香演じるヒロインに徹底的に弄られまくるという、もう意識が高杉なのか、低杉なのか分からん展開が、とにかく面白い。その後、描かれるのは特殊なパノラマカメラを偶然手にし、無謀な撮影に挑む主人公の成長物語。全校生徒相手に、大声張り上げ、場を仕切るクライマックスでの雄姿は、想像以上に胸アツに。そういう意味では、高杉ギャップ萌えを堪能できる一本といえる。こちらはご当地映画ではないが、どこか牧歌的な雰囲気やリサイクルショップの件など、『榎田貿易堂』にも通じる空気感も悪くない。