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ARCO/アルコ (2025):映画短評

2026年4月24日公開 88分

ARCO/アルコ
(C) 2025 Remembers / mountainA / France 3 CINEMA

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.4

大山くまお

泣けて泣けて仕方なかった

大山くまお 評価: ★★★★★ ★★★★★

後半は泣けて泣けて仕方なかった。遠い遠い未来と遠い未来のボーイ・ミーツ・ガール。美しいセルアニメーションで描かれる、環境が破壊された遠い遠い未来と環境が破壊されるキワキワにある遠い未来。だけど、そこで暮らしているのは明らかに人間。子どもたちは冒険心を抱き、こことは違うどこかへ行きたいと願う。親たちは子どもを愛して心配し、ここにいてほしいと祈る。それはとても普遍的な感情であり、こんな素敵なアニメーションで描かれたことが本当に嬉しい。アートアニメーションでもシネフィル向けのアニメーションでもなく、ジブリ並に多くの人に観てもらいたい作品。子育てした人は心震える瞬間がきっとある。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

まさに“虹の物語”と呼びたくなる

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

手塚治虫、宮崎駿、新海誠、そして『長編ドラえもん』も!? そこにメビウスやオスロらの感性が溶け合い、虹の帯のように重なって新たな輝きを放つ。ウーゴ・ビアンブニュ監督が5年をかけて手描きで完成させた初長編は、環境問題やタイムトラベルをモチーフとしたボーイ・ミーツ・ガールを軽やかに描く。セルアニメーションの温度が、荒れた世界に柔らかな懐旧を宿している。

アヌシー最高賞やオスカーノミネートなどの絶大な評価を支えるのは、世界観の手触りの巧みさだろう。気候変動後の地球で人とヒューマノイドが共生する姿は、現実の延長として驚くほど自然。“アルコイリス=虹”の寓意が、子供たちに託される希望を鮮やかに照らす。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

ディストピアではない未来像が胸に響く

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 この映画が描く未来、2932年と2075年の人類の暮らしは、どちらもディストピアではない。そのことが胸を打つ。地球の環境は現在の延長線上にあり、さらに人類の生存を困難にする方向に変化しているが、人類はすでにそれに適応するための方法を見つけて実践しており、そこなら人間が生きていけるのではないか思える世界を実現している。その世界では、子供たちが活力を失うことなく生きている。ストーリーは典型的だが、そういう未来の姿が静かな感動を呼ぶ。

 そんな世界が、伝統的な手描きの2Dアニメで描かれて、ぬくもりを宿す。作中、ロボットが絵を描く場面があり、人類はなぜ絵を描くのかという問いも投げかけてくる。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

これにオスカー長編アニメ賞を取って欲しかった

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

想像力、創造力、独創性、そして人間愛に満ちた傑作。個人的にはこれに今年のオスカー長編アニメーション賞を取って欲しかったほど。この映画が見せる近未来は「ありえる」と思わせつつ、悲観的ではない。カラフルかつシンプルな手描きのアニメーション、つまり人間ならではのアートで見せるからだ。使い古されたはずのタイムトラベルというコンセプトがこれほど新鮮に語られることにも、驚かされる。時代が変わっても、人が人であるかぎり、子供は好奇心旺盛、反抗的で、親は子供を愛するのだろう。そこにもまた奇妙な希望を感じる。今作で監督デビューを果たすビアンヴニュのアイデアを実現に持ち込んだポートマンの貢献は絶大だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

『時をかける少女』+『インターステラー』な豊穣な体験

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

未来はどんな風景が広がってるのか…。そんな妄想をシンプルかつ、われわれ日本人にはノスタルジーすら感じさせる画風で描き、身体が馴染むように没入してしまう。フランス製アニメながら、謎にアジア系を思わせるキャラクターのルックなので、日本語吹替版も自然かも。
時空を超えての純粋な絆には、過去の多くの名作がよみがえるはずだが、まあまあ近い2075年、はるか遠くの2932年と2つの時代が登場し、その進化度の違いにテーマが潜む。近未来は「いかにも」な風景&テクノロジーに、人間関係の冷たさが切ない一方、遠い未来は一周回って人間愛が温かさに回帰しているようで、作り手の「希望」に観ているこちらも幸せな気分になる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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