東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編　－運命－ (2023)：映画短評

　一本の映画として見ると、これだけで話が完結しているわけではないので評価に迷う。ひとつの作品を真ん中でちょうど半分にしたような、そんな前編。

　とはいえ、東リベ好きとしては確実に血がたぎる。マイキーやドラケンら前作でカリスマ性を見せつけたキャラに加え、バジ、カズトラなどの武闘派も加わって、スリルとカオス、ミステリーを加速させる。

　肝心の主人公タケミチの愚鈍ぶりに少々イライラさせられるが、原作に則れば後編では間違いなく解消されるだろう。吼えるわ暴れるわのイキのよい俳優たちのハイテンション演技も健在だ。ともかく、後編をすぐにでも見たくなる。

複雑に絡み合う組織やキャラが増す「血ハロ」を、2部作180分ほどで描く前篇。マイキーの愛車（ホーク丸）吹っ飛ぶ、東卍創立当時のエピソードなど、原作ファンを裏切らないよう丁寧に忠実に再現していくなか、あのキャスティング（公開後に解禁）に関しても納得しかない。その一方で、（身長含め）原作から飛び出してきたような高杉真宙演じる千冬とコンビを組んだタケミチの前にサプライズとして再登場するキヨマサなど、映画オリジナル展開も用意。見事なクリフハンガー展開もあり、圧倒的な貫禄で物語を引っ張っていく永山絢斗が心強い。そのため、彼演じる場地の見せ場満載の『－決戦－』には期待しかない！

1作目の興行的成功という担保を活かして続編は前後編の2部作に。その前編は前作と今回のブリッジであると同時に前後編の後編へのブリッジという2重の役割を担う作品に。とは言え”ただの橋渡し役”では終わらずこれ一本でもちゃんと”映画の東京リベンジャーズ”として楽しめるようにできています。なかなか難しいことをやってのけたなという感じです。前作の時点で十分売れっ子だったメインキャストですが、この続編までに数段階レベルアップ、それでも欠けることなく揃ってくれたことが嬉しいです。これを見てしまうと後編が待ち遠しくなって仕方がありません。