劇場版「緊急取調室 THE FINAL」:映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
艱難辛苦を乗り越えて
まずは無事に劇場公開にこぎつけることができて本当に良かったです。キャスト、スタッフ、関係者の粘り強く、あきらめなかった気持ちには素直に頭が下がります。どうしても作品の外側に目が行きがちな一本となってしまいましたが、肝である物語の部分にピントを合わせると、実に今日的な物語であると感じました。自然災害の多い日本という国で今現在、生活している人なら直面するかもしれない出来事を描いています。最後のターゲットを追う”キントリ”のチームですが本当に芸達者の集まりなので短い出番でもきっちり爪痕を残しています。
嫌でも現実がシンクロしてしまい、鳥肌が立つような戦慄も
総理大臣が襲われる事件や、新たな法整備など最近の日本で起こったことを巧みにドラマに盛り込んだ作りに感心も、最大のシンクロが作り手の予想しなかった部分になってしまった。総理役、市川猿之助の芝居は、周囲を圧し、本心の裏オモテを絶妙に表現して全シーンで惚れぼれさせ、ほぼ主役という印象。その分、追い込まれる状況や、立場上、口にするセリフの数々が信じ難いほど一連の出来事と繋がり、背筋が凍った。こんな偶然があっていいのか。呆然としつつ、映画が起こす予期せぬ化学反応として貴重な体験に。
全体のシチュエーションはやや強引で、ツッコミどころあるものの、チームワークの楽しさと、各自の仕事へのプライドが凌駕する。






















