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赦し (2022):映画短評

赦し (2022)

2023年3月18日公開 98分

赦し
(C) 2022 December Production Committee. All rights reserved

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

なかざわひでゆき

一筋縄ではいかない罪と赦しの物語

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 17歳の女子高生が同級生の少女を殺害するという事件から7年後、服役中の加害者に再審の機会が与えられ、今も娘を亡くした悲しみを抱える被害者の両親が法廷に臨む。誰が加害者で誰が被害者なのか、何が正しくて何が間違っているのか。法律の下では白黒がはっきりすることも、しかしその実情は必ずしも一筋縄ではいかない。人は誰でも過ちを犯すが、しかし取り返しのつく過ちもあれば、そうでないものもある。罪を償えばそれで全ては赦されるのか。果たして加害者だけに罪があるのだろうか。そもそも誰が誰を「赦す」ことができるのだろうか。様々な問いを投げかける深い映画だが、それだけに一部の不自然なセリフに難があるのは惜しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

『対峙』とセットで観たい一触即発な法廷劇

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

前2作と比べると、法廷劇というジャンル分けができるものの、そこは一筋縄ではいかないアンシュル・チョウハン監督作。明らかに爆弾を抱えている被害者の父親や胡散臭い弁護士などを巻き込んだサスペンスタッチな展開に加え、今回も画力のスゴさに加え、即興的な演技から生まれるリアリティに圧倒される。そして『コントラ』の円井わんに続き、ヒロインに抜擢された松浦りょうは『眠る虫』のときと別人にしか見えない存在感を醸し出す。逮捕から7年後の再審を描く着眼点は興味深いが、「このタイミングで、こんな重要な事実が判明?」という疑問が生じてしまうのは事実。とはいえ、『対峙』とセットで観たい骨太な一本だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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