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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争 (2023):映画短評

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争 (2023)

2024年2月23日公開 20分

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争
(C) SAINT LAURENT - VIXENS - L'ATELIER - 2022
なかざわひでゆき

ゴダールの魂が宿った最後の作品

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 巨匠ジャン=リュック・ゴダールの遺作となった20分間の短編映画。その内容は写真や絵や文字が無造作にコラージュされ、音楽やナレーションが不規則に現れては消える、まるで未完成の実験映画のような趣き。恐らく、老境に達したゴダールが内側から湧き出るイメージや思考を感性の赴くままに紡いでいったのだろう。決して分かりやすい映画ではないし、そもそも分かりやすいように作られた映画でもないのだが、そこには老いてなお創作意欲の衰えぬゴダールの未来へ向けた眼差しと、同時に「あの時代」へ残して来た深い想いも垣間見える。そういう意味で、彼の魂が宿った作品だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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