火の華 (2024):映画短評
日本の安全保障について問題提起する力作
国連の平和維持活動のため南スーダンへ派遣された日本の自衛隊。安全とされた非戦闘地域が実際は安全でなく、突発的な武力衝突によって自衛隊員が死亡。しかし政府はその事実を隠蔽し、深いトラウマを抱えて帰国した元隊員たちの生活は荒れていく。’16年に発覚した自衛隊日報問題からヒントを得たフィクションだが、しかし決して絵空事とは言えない現実味を孕んだ物語と言えよう。確かに有事の際は国民のため命を懸けることを職務とする自衛隊員だが、しかしそんな彼らもまた日本国民であり、なにより我々と同じ生身の人間である。そんな当たり前の事実を踏まえながら、日本の平和と安全保障のあり方について問題提起する力作だ。
この短評にはネタバレを含んでいます



















