沈黙の艦隊 北極海大海戦 (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
大沢たかおという名の磁場が快作を生んだ!
ドラマシリーズの続編にして劇場用シリーズ第2作。ここまで観進めると、この連作の魅力がどこにあるのかと問われたら、大沢たかおにあるとハッキリ言いきれる。
大沢ふんする艦長が何を考え、どう行動するのか? そこにミステリーが宿っているばかりか、いかなる危機も乗り越える艦長の頼もしさは痛快でさえある。これはときに真剣、ときに不敵な笑みを浮かべる大沢の圧倒的な存在感があってこそ成立しうる。
政権与党の描写は現代では説得力に欠けるが、原作が描かれたのが30数年前であることを思えば許容範囲。相手がこう動けばこちらはこう出る、将棋にも似た戦略描写に今回も魅了された。
作り手も演じ手も馴染んできた感を感じる
日本と日本人を中心にした邦画としてはお話のスケールが非常に大きく、映画1作目を見たときにはそのスケール感に作り手も演じ手も少々戸惑っているというか物語との距離感を測りかねているような部分を感じたのですが、1作目の映画とドラマシリーズを経てその部分のズレを感じなくなりました。タイトル通り北極海内での決戦がメインとなります。漆黒の海の中での潜水艦を描くということでどうしても描けるものが少なくなってしまい単調な画になってもおかしくないのですが、多様な見せ方で飽きさせない画作りになっていました。やはり大黒柱というべき大沢たかおの存在感は素晴らしいですね。



















