デリカド (2022):映画短評
私たちの欲望の裏で起こっていること
地球規模でSDGsの取り組みが行われているはずなのに、環境活動家の殺害が年々更新されている矛盾。その答えがここにある。比・パラワン島の環境保護団体に密着した本作。彼らが監視するのは森林の違法伐採。その愚行がまかり通るのは、かの大統領の庇護のもと、リゾート開発での利益誘導を行なっている政治家の存在だ。異論を唱える者がいれば暴力や金で口封じ。今どきフィクションでもこんな分かりやすい展開はないだろう。しかしその悪事が、カメラの前で堂々と行われている現実に言葉を失う。同島では密漁や、日本企業による環境破壊も懸念されている。ここで起こっていることは、私たちの生活と無縁ではないことに気付かされるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます


















