火喰鳥を、喰う:映画短評
人々の記憶が、世界を変容させる
「ある書物に文章を書くと、世界が変わる」のではなく、「ある書物に文章を書くと、それに関係する人々の記憶が変わり、それと同期して世界が変わる」という設定がユニーク。原作は、原浩の同名小説。「書かれた文章が、それまで存在しなかったものを出現させる」というだけでなく、その過程に「人々の記憶」が絡むところが興味深い。
火喰い鳥を喰うという行為が何を意味するかはすぐに推測できるが、火喰い鳥は、それが出てくる文章を読んだ人々の思いの中で、さまざまな姿に変貌する。それぞれの火喰鳥が、どのように、あるいはどんな姿で現れるのかが見どころ。
この短評にはネタバレを含んでいます




















