THE MONKEY/ザ・モンキー (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
残酷さと笑いのミックスは意外にもパーソナル
パーキンス監督は、ジェームズ・ワンの製作会社から渡された脚本が「シリアスすぎる」とコメディを入れて大幅に変更。次は誰がどんな残酷かつ奇抜な形で死ぬのかという話にしてみせた。最後の最後までそれで引っ張り、感情面は薄く、「ロングレッグス」におけるニコラス・ケイジとマイカ・モンローの対面のような緊張感あふれるドラマチックなシーンはない。しかし、人は全員死ぬ、時には寝ている間に、時には信じられない理由で、というせりふやユーモアのセンスは、両親を劇的な形で亡くした辛い体験から来るもので、実はパーソナルなのだ。エミー賞候補で注目のアダム・スコットやイライジャ・ウッドが小さい役で出ているのも面白い。
血飛沫と爆笑で、深部をえぐってくる
やはりこの監督、ただモノじゃない。『呪われし家に咲く一輪の花』『ロングレッグス』に続いてオズグッド・パーキンス監督が描く本作は、血飛沫は大量、爆笑も満載でありつつ、深いところをえぐってくる。
子供時代に見つけた、無差別殺人をするサルの玩具から逃れられない男。サルのせいで次々に生じる人々の突然死がどれも、意表をつく経緯と、いきなりのタイミングのせいで、思わず笑っちゃいそうになるのだが、なぜここで笑ってしまうのか。映画が、無意識のうちに直視するのを避けたいと思っているものを、あからさまに突きつけてくる。とりあえず、主人公の母が彼に提案したように、ダンスするしかない。





















