おーい、応為 (2025)：映画短評

まず何と言ってもタイトルが秀逸。応為の語源から来ているとはいえ、こういう遊びがあるタイトルは思わず口にしたくなる。こういった入り口から始まる物語は、長澤まさみが今持ち合わせている貫禄と主人公の逞しさが見事に重なって、痛快なものとなっている。当時、女性が男性と肩を並べて生きていくのは、現在よりもはるかに厳しかったであろうが、応為の肩で風を切って生きていく様は実に格好が良い。そして、応為の運命共同体とも言える永瀬正敏演じる葛飾北斎がまたすごい。一種の仙人のようなキャラクターが存在感抜群だった。良い題材と良い俳優の化学反応を見ることができる一本。