ユリシーズ (2024):映画短評
映像美の中に紡がれる生と死の抽象的概念
スペインを舞台にした2話と、日本を舞台にした1話のオムニバス。それらに関連があるか?あるとすればどんな関連か?……は観る者の想像力に委ねられる。
三話はそれぞれ明確な物語があるわけではなく、むしろピンポイントのスケッチ。生と死がそこから見えてくる点は興味深い。
タイトルのユリシーズが意味するところは難解で、ホメロスもジョイスも、ついでにフランツ・フェルディナンドの楽曲とも結びつけても、どうもピンとこない。裏を返せば、それだけ思考の余地があるということ。ホウ・シャオシエン風の固定カメラや、緩やかな移動カメラによる映像の美しさに酔いつつ考えてみてはどうだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます


















