M3GAN/ミーガン 2.0 (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 3
オリジナルのファンだけにがっかり
予算をかけてスケールアップしたはいいが肝心のハートを失うという、続編にありがちな失敗の典型。オリジナルは、急にバイオレントになったかと思えばミーガンのキッチュな動きが出てきたり、LGBTQの要素が匂わされたりと、意外性で心をつかむ小粒なホラーだった。そこにAIの脅威というテーマが潜んでいたのが賢かったのに、今回はその大風呂敷を広げたため、すでに映画で何度も語られている話になってしまっている。途中、ミーガンが歌うシーンを入れたのも、1作目のようなウケ狙いかとわざとらしく感じさせるだけ。ロボットも人間もやたらと理屈っぽいせりふを畳みかけるシーンが多く、退屈。オリジナルのファンだけにがっかり。
もっとミーガンを見せてくれ!
スティーブン・セガール、『ナイトライダー』、『少林寺木人拳』、『ロボコップ』、おまけに『鉄鋼無敵マリア』(『メトロポリス』のマリアも)などの懐かしネタを盛り込んでB級アクション路線に舵を切ったのはいいが、いかんせんミーガンが活躍する場面が少なすぎる。B級アクションで120分というのも長尺だが、ミーガンがあの形で登場するまで60分かかるのも解せない。AIの脅威をテーマにしているが、なぜかアクションも悪党が使う手段も古臭い。出番が少なくても可憐で残酷なミーガンの印象が鮮烈だった『1』のいいところがまるでなくなってしまったので、世界的にコケたのも配信スルーも納得。
悪ノリギャグ満載のバトル・アクション大作へ進化
もはやAIホラーのテイストは導入部のみ、『ターミネーター2』×『アリータ:バトル・エンジェル』といったジェームズ・キャメロン影響下のバトル・アクション大作へと進化を遂げる。謎の殺人兵器アメリアに戦いを挑むべく、詠春拳を習得し、コスプレでガチなロボットダンスを踊るなど、いろんな意味でアップデートしまくるミーガン。「ナイトライダー」に、スティーブン・セガールねた、さらにはケイト・ブッシュ「This Woman's Work」ねたと、随所に飛び出すブラムハウス的な悪ノリギャグも楽しい。世界的にコケた理由は不明だが、配信での120分は、やや長尺に感じるため、やはり劇場で観たかった思い強まる。























