バード ここから羽ばたく (2024):映画短評
12歳の少女は想像力を味方につける
冒頭近く、主人公の12歳の少女と父が電動キックボードで疾走するとき、フォンテインズD.C.の「Is it too real for ya?」を繰り返す「Too Real」が鳴り渡り、映画はそのノリのまま最後まで行く。英国映画の定番、低所得家庭映画だが、12歳の目に映る世界に悲痛さはなく、ポジティヴなエネルギーに満ちている。彼女は想像力も味方につける。彼女の世界に乱射する光、吹く風が、手持ちカメラの16mmで鮮やかに映し出される。彼女がスマホで撮影する縦長映像が、生々しく息づく。
監督は『アメリカン・ハニー』の英国監督アンドレア・アーノルド。監督作の常連ロビー・ライアン撮影が今回も魅力的。
この短評にはネタバレを含んでいます




















