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金髪 (2025):映画短評

2025年11月21日公開 103分

金髪
(C) 2025 映画「金髪」製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

平沢 薫

現在の諸問題を軽やかなブラックコメディに

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 現代ならではの問題から、昔ながらの因習的問題まで、多様な問いかけを鋭く盛り込みながら、それをシリアスでもヘヴィでもなく、笑えもする軽やかなタッチのブラック風味のコメディに仕上げる。その技が見事。

 校則に疑問を抱いた女子高生が髪を金髪に染めたことが、潜在していた問題を可視化する。現在の教育現場の教師、父兄、教育委員会の状況、それに象徴される根深い事なかれ主義。現在のSNS状況そのままの、周囲の生徒たちの無責任かつ極端な反応。10代の生徒たちの成長と順応。それらと並行して、主人公の教師が、自分がもう若くないことに正面から向き合えるようになるまでをも描いて、重層的な物語で魅了する。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

おじさんを自覚するのが岩田剛典というのも絶味に

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

時代錯誤の校則に生徒が反発という「考え方のギャップ」が、中学生と教師のジェネレーションギャップのネタともシンクロし、テンポよく進む。その軽やかさが快調。主人公教師を岩田剛典に任せ、彼が「おじさん」の立場にされるのも“ギャップ”という作品の本質を表しているよう。何かが解決するかに見せかけ、くすぶってるものが噴出し、また違うベクトルに向かうスタイルが美点。
冒頭から主人公によるナレーションの多さが気になるが(近年の邦画でよくあるパターン)、そのナレーションをうまく“演出として”利用するなど苦心も感じられる。
ただ、上映中の映画館でおしゃべり続けるのは、どうよ…。上映されてる作品は映画愛に溢れて◎。

この短評にはネタバレを含んでいます
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