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木挽町のあだ討ち (2025):映画短評

2026年2月27日公開 119分

木挽町のあだ討ち
(C) 2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

轟 夕起夫

なぜか90年代の深夜番組、才気走った『欲望の食卓』を思い出す

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

「芝居がかる」という言葉がある。映画ののっけから、木挽町の“芝居小屋”のすぐ近くで始まる仇討ち場面。若衆と無法者――演ずる長尾謙杜と北村一輝が見せる死闘からして相当芝居がかっているのだが、終わってみればなるほど、この裏で暗躍、「芝居」「がからざるを得なかった」面々のワザと情にほだされる。

中学時代、演劇部だった原作者は野田秀樹の岸田戯曲賞受賞作『野獣降臨(のけものきたりて)』きっかけでシェイクスピアにも熱中したとのこと。そんな影響も感じさせる、時代劇の間口を広げた小説を料理した監督の源孝志。常連・石橋蓮司も出ていた90年代の深夜番組、オムニバスドラマ『欲望の食卓』(96)の才気を思い出した。

この短評にはネタバレを含んでいます
中山 治美

痛快なお江戸版アベンジャーズ

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

『国宝』のヒットで人々の歌舞伎への関心が高まっている中、その期待を裏切らない秀作だ。江戸歌舞伎に携わる人々が、お家騒動における仇討ちに一役買う。江戸歌舞伎の舞台裏と職人技、そして当時の人々の生活が生き生きと再現されており、文化史的にも見応えあり。何より、柄本佑を主演に据え、こだわりを感じさせてくれるキャスティングが良い。貫禄の沢口靖子。そして長尾謙杜。長尾は『室町無頼』でキレのある殺陣と只者ならぬ無頼感で異彩を放っていたが、今回は武士の気品と凛々しさに加え、女形の艶やかさまで魅せた。時代劇界の新たなスター誕生に心踊るのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

歌舞伎から、ミステリアスな懸命がみえる庶民派『国宝』

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 柄本佑の飄々とした雰囲気、誰かに似ているなあと思ったら、そうそう、本サイトの記事にもあった刑事コロンボ! 映画そのものもミステリーを保ちつつ、人間味に帰結している。

 木挽町というと今の銀座、歌舞伎座周辺だが、当時の町人文化が生き生きととらえられ、一方で武家社会の不条理も浮き彫りに。武士も歌舞伎の役者や職人たちも懸命で、それぞれのドラマがしっかり見える点に好感を抱いた。

 『国宝』と同様に本作も歌舞伎の場面が見せ場となっているが、それは国宝というより庶民の娯楽で、意気や人情を仮託しているかのよう。柄本佑の“飄々”もそこに繋がっている。愛すべき時代劇。

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村松 健太郎

愉快、痛快、そして爽快

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

ミステリーの肝である謎解きの爽快感が詰まった時代劇ミステリー。何と言っても柄本佑と渡辺謙の二人の存在感が抜群です。つかみどころが無いような不思議なキャラクターでありながら、人の心の中に巧みに入り込んで行く探偵役の柄本佑の硬軟自在の演技は近年の出演作の中でもベストアクトの一つと言っていいでしょう。対する渡辺謙も特別出演枠ではなくて物語にがっつり絡む役どころで、抜群の頼もしさで物語を支えてくれています。彼らを囲むキャストもそろって好演、さらに”あだ討ち”の当事者を演じる長尾謙杜と北村一輝も素晴らしい演技でした。素直にお薦めしたい一本。

この短評にはネタバレを含んでいます
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