八つ墓村 (2026):映画短評

2026年9月18日公開 117分

八つ墓村
(C) 2026「八つ墓村」製作委員会 (C) Yokomizo Seishi / KADOKAWA

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

相馬 学

たたりじゃ! マジで、たたりじゃ!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 さすが清水崇監督!と言いたくなる徹底したスケア演出。松竹では今年3本目のホラー作品だが、独自の色で傑作ミステリーを塗り替えってしまった。

 落武者8人殺しや村人32人殺しといった、原作では前半に出てくる恐怖談を中盤以降に配置。集団心理の狂暴性を見据えながらオカルト色を深め、従来の『八つ墓村』とはまったく異なる地平に誘う。なにしろ名探偵、金田一耕助に一度は“私の手には負えない”と言わせるのだからオカルト度合いもうかがい知れるだろう。

 筆者は野村芳太郎版『八つ墓村』のファンだが、150分ほどの尺だった同作に対して今回は117分。この差だけでも、本作が完全な別物であることがわかる。潔い!

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

過去作群とは別物として臨むべし

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 横溝正史の傑作推理小説の4度目となる劇場用映画化。やはり旧作と比較されることは避けられないと思うが、しかし今回はスーパーナチュラル要素を全面に押し出した本格的なホラー作品。もはや別物と考えて然るべきであろう。キャスティングやムードも含めて全体的に「軽い」という印象は否めないが、その一方で多治見家だけでなく村人たちの「罪」にも注目した点は大いに興味深い。落ち武者殺しを主導した田治見家にばかり罪を擦り付け、金に目がくらんで加担した自分たちの罪は棚上げし、なんら反省することなく代々に渡って被害者意識ばかり募らせてきた村人たち。そこには、戦後の我々日本人の姿が投影されているようにも思える。

この短評にはネタバレを含んでいます
村松 健太郎

原作の業の深さを実感する一本

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

清水監督で、キャラクターもかなり削ってあり、上映時間も2時間弱で、現代に舞台を移しているということで”普通の八つ墓村”でないことは分かっていましたが、なるほどこういうテイストのものにしてきましたか…。金田一耕助シリーズの全体にある時代を選ばない普遍性を改めて実感する一方で、『八つ墓村』というタイトルのもつ”業の深さ”を改めて実感させられました。怪奇なようで本格、本格なようで怪奇なシリーズの中でも最も怪奇よりな原作を映画化するということで当然の様に賛否を呼ぶことは間違いないでしょう。現代的にアップデートされた金田一耕助を演じた尾上松也は飄々としたキャラクターを好演しています。

この短評にはネタバレを含んでいます
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