オアシス:ドント・ルック・バック・イン・アンガー:映画短評
ライター3人の平均評価: 4.7
ドキュメンタリーの力を思い知る
「オアシスの再結成ワールドツアー」によって生まれる2つの物語が描かれる。一つは、ノエルとリアムが、ツアーを体験しながらそれぞれにオアシスを発見する物語。映像の背後に流れる、2人が何を見つけたのかを語る声が、率直な本音に聞こえる。その言葉と共に目撃する、2人がツアー最初のステージに足を踏み出す時の行為が、胸を熱くする。
もう一つは、世界中のファンがツアーを体験しながら自分のオアシスを再確認する物語。解散時には生まれていなかっただろう少年が、公演後の会場で茫然自失状態で立ち尽くす。ファンの談話は少々過多気味だが、カメラが捉えた会場のファンそれぞれが発する興奮と歓喜の波動が、それを凌駕する。
“みんなの歌”が起こした奇跡
オアシスの再結成ツアーを追うドキュメンタリーであるのは間違いないが、その背後にあるものをきっちり追っている点が、まず素晴らしい。
兄弟間の確執から許しへといたる流れにはドラマがあるし、世界各地のオーディエンスの声を救い上げている点もいい。多くはオアシス不在の15年のうちにファンになった層。私的体験から時代のうねりまで、その中でなぜ好きになったのか?が語られ、時を経てオアシスの曲が“みんなの歌”となっていった事実が浮かび上がる。
そんな構成ゆえに、プレイされる曲の多くに意味が宿り、自然と感情が揺さぶられた。『007』次作の脚本に抜擢されたS・ライトによる構成の妙か? ともかく、泣ける。
哲学的で神々しいラストまで心震えっぱなし!
地球規模のお祭りだった「Oasis Live‘25」を振り返る「後夜祭」的ライブフィルム……かと思いきや、驚くほど撮りおろし映像の連続。リアムの初日が緊張感120%の密室サスペンスにしか見えないリハーサル風景に、個別に撮っているかと思いきや、兄弟並んで語り合うFワード感想戦。世界一揃った日本についても触れてほしかった「ポズナン」や、リアムのタンバリン芸について追及するノエルまで、しっかり痒いところに手が届く。次回の『007』の脚本も手掛けるスティーヴン・ナイトが企画・構成に関わっていることもあり、一本の映画としてのクオリティが異常に高く、哲学的で神々しいラストまで心震えっぱなし!






















