ヒンド・ラジャブの声 (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 5
今見るべき最も重要な映画
親族と車で移動中にイスラエル軍の猛攻撃を受け、ひとりだけ生き残って車内に取り残されたパレスチナの少女ヒンド・ラジャブ。彼女からの緊急電話を受けた人道支援組織が、あらゆる手を尽くして救出せんとする。’24年1月にガザ地区で実際に起きた事件を、救出する側の視点から描いた緊迫の再現ドラマ。電話の向こうで恐怖と不安に震えている少女を今すぐにでも救いたいが、しかし慎重を期さねば救助チームの命まで危険に晒してしまう。職員たちが直面する焦燥感と怒りと無力感。日々報道されるパレスチナのジェノサイドを知りながら、何もできないでいる我々にもその気持ちは痛いほど分かる。今見るべき最も重要な映画のひとつだ。
一切の言い訳を許さない見られるべき一本
2024年にガザ地区からかかってきた一人の少女の助けを求める声を巡る物語。メインパートは一応、俳優を使ったお芝居になっているものの電話からの音声は実際にあったものを使っているため、一種異様なリアリティを感じることができ、どんどん不穏な気分になっていく。目を逸らしていたことを問答無用に眼前に突き付けてくる映画であり、一切の言い訳を許してくれない。人によっては見終わった後途方もない無力感にさいなまれる人も出てくるかもしれない。今・現在を生きる我々にとっては一人でも多くの人にこの映画を見てもらえるように言って回るぐらいしかできないが、せめてそれだけは懸命に務めたいと思う。
観終わって言葉も出ない…。とにかく全人類が体験すべき一作
戦闘続くガザの車内にただ一人、生きて取り残された少女に、命を繋ぐ手段は電話のみ。劇映画として再現するなら、そのやりとりは劇的さや流れが計算されたかもしれない。しかし本作は、本物の通話音声記録を使用。6歳なので声は混乱を極め、何度も同じことを繰り返したりするも、それが切実さを加速させ、電話を受ける側を演じた俳優たちも、本物の声に対応したことで尋常ではないリアルさ、切迫さをまとう。
救出までの距離がわずかなのに向かえないガザの事情、あえて現場を「見せない」演出で増幅される無力感、後半の衝撃の事態…と、戦争の愚かさを肌で実感する意味で、間違いなく全人類必見の一作。何度観直しても胸の痛みが収まらず。























