シェルター (2026):映画短評
ライター5人の平均評価: 3.6
歪んだ正義がはびこる世に、ステイサム節が効く
元特殊部隊員役のステイサムが大暴れする痛快アクション。お馴染みの設定、お決まりの展開。そう分かりつつも、華麗なアクションと、社会情勢を敏感に盛り込んだ巧みな脚本で、ささくれだった心に瞬時に栄養が浸透していくことを実感するだろう。元特殊部隊員がMI6に追われる身になったのは、非人道的な命令に背いたため。理由は「服従より人間性を選んだ」。ステイサムが放つこの言葉を聴くためだけに、本作を何度劇場に足を運んでも損はない。そして己の心に問わずにはいられない。自分は何か行動を起こす時に、その選択が出来ているか?と。ステイサム、来年還暦。深みを増した演技も相まって、ただのエンタメでは終わらせないのだ。
ストイックだからエモい!母国イギリスのステイサム
イギリス主導のステイサム主演作はシリアスなアクションが多いが、本作も同様。派手さに走りがちなハリウッド映画に比べると、抑制からくるハードボイルドが魅力となる。
身寄りのない少女を守ろうとする主人公の奔走は『SAFE/セイフ』と似てはいるが、勝ち気な少女との間に強固な絆が芽生えるのが肝。後半に進むほどエモさが高まるのは、それが丁寧に描かれているからだろう。
ドウェイン・ジョンソンやジェラルド・バトラーといったコワモテ俳優たちを血の通ったキャラクターに当ててきたR・R・ウォー監督らしさが光る。孤島からスコットランド、田園地帯、ロンドンへと英国らしい風景を連ねる情感の変化もナイス。
似たような映画の中ではかなり面白い
孤独で寡黙な普通の中年(または初老)のおじさんには、すごい過去とスキルがあった。二度と使うつもりはなかったのに余儀なくされ、アクション炸裂。
ハリウッドの娯楽作でサブジャンルにもなった、ジェイソン・ステイサムが目を瞑ってもできる設定。だが、最近の似たような映画に比べて結構面白い。「ハムネット」でも光っていたボディ・レイ・ブレスナックのおかげもあり。ただ、この少女の存在も、銃やナイフやその他多数の意外な武器を使った壮絶な戦いを出してくるための言い訳。それらのアクションは、ジェラルド・バトラー主演作でお馴染みのリック・ローマン・ウォー監督らしいプロの仕上がりで楽しませてくれる。
ジェイソン・ステイサムはいつも期待に応える
ジェイソン・ステイサムは、いつも同じ役しかやらないが、そういうものが見たい観客がいて、常にその要望に応える、というのは誰にでもできることではないだろう。
ステイサムが演じるのは今回も、無口で圧倒的に強い男。態度は無愛想だが、実はいいヤツ。そして今回も、巨大な権力を相手に、たった一人で立ち向かうことになり、そして徹底的に敵を叩き潰す。その姿が気持ちいい。今回の味付けとして、寒冷地の灯台、助けたい少女、鉛筆で絵を描く趣味がある。
監督は『エンド・オブ・ステイツ』『グリーンランド 地球最後の2日間』のリック・ローマン・ウォーで、適任。MI6役がビル・ナイ、ナオミ・アッキーと共演陣も充実。
見たいステイサムが見れる!
目下最も頼りになるアクションスター、ジェイソン・ステイサム最新主演作。今回もある過去を抱えた元特殊部隊の隊員というお馴染みと言えばお馴染みですが、見ていてとても安心できる設定のキャラクターを演じています。今回はある少女の守護者という側面も持っていますが、やはり”いつもステイサム像”からはみ出るものではなく、妙なノイズにはなっていません。悪役側を担ってくれたのは英国の技巧派ビル・ナイ。この人はやはり巧いですね、ステイサムとは別の意味で頼りになります。程よく捻ったストーリーとバリエーション豊かなアクション、107分で終わるタイトな作りも好印象です。

























