ヒンド・ラジャブの声 (2025):映画短評

2026年9月4日公開 89分

ヒンド・ラジャブの声
(C) MIME FILMS - TANIT FILMS
斉藤 博昭

観終わって言葉も出ない…。とにかく全人類が体験すべき一作

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

戦闘続くガザの車内にただ一人、生きて取り残された少女に、命を繋ぐ手段は電話のみ。劇映画として再現するなら、そのやりとりは劇的さや流れが計算されたかもしれない。しかし本作は、本物の通話音声記録を使用。6歳なので声は混乱を極め、何度も同じことを繰り返したりするも、それが切実さを加速させ、電話を受ける側を演じた俳優たちも、本物の声に対応したことで尋常ではないリアルさ、切迫さをまとう。

救出までの距離がわずかなのに向かえないガザの事情、あえて現場を「見せない」演出で増幅される無力感、後半の衝撃の事態…と、戦争の愚かさを肌で実感する意味で、間違いなく全人類必見の一作。何度観直しても胸の痛みが収まらず。

この短評にはネタバレを含んでいます
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