自然は君に何を語るのか (2025):映画短評
恋人のパパ&家族 vs ホン・サンス的青年のドタバタ一日記
破格の連続上映企画「月刊ホン・サンス」最終号を飾るのは、一座の新常連ハ・ソングクの初主演作。彼が演じる自称・詩人のドンファはモラトリアムを漂うホン・サンス的主人公の典型像。恋人の実家というアウェーに放り込まれた彼は、豪邸の空気に呑まれ、家族の視線に揺れ、酒の勢いで転がり落ちる。その一部始終が笑えて胸に刺さる。
山の気配や鶏の鳴き声――自然は何も語らないが、今回はドンファを見つめ返す特に父親のまなざしが物語に二重の焦点を与える。ぼやけた視界のまま世界に触れようとする青年の痛みと可笑しさ。彼を値踏みする家族(=世間)。そのすれ違いが生む軽妙な人間喜劇が、今なお進化し続けるホン・サンスの現在地だ。
この短評にはネタバレを含んでいます





















