5秒で完全犯罪を生成する方法 (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.7
AI依存はほどほどに!?
AI依存の問題は、このところニュースの端々に覗けるようになってきたが、そういう意味ではタイムリーな作品。
主人公の最初のAI使用の動機が道徳的とはいえないため、共感を引くに至らないのが難点だが、AI依存は心の隙にも忍び込むということか。いずれにしてもサスペンスフルであることは間違いなく、ヒッチコック作品に似た風刺やスリルを感じさせる。
利益の一致しない者同士が同じようなAI利用をしていたら、どちらか、あるいは両方がしくじることは想像できる。そんな状況を俯瞰させている点が興味深く、テクノロジーとの関わりについて考えさせられることは多い。
AIは完全犯罪を教えてくれるか
「自分で考えることなく、AIに相談する人々」「AIの答を無条件に信じる人々」というモチーフが、ものすごく"今"。そういう人々がそれぞれに行動するので、予想外の波紋が広がっていってしまう。
その状況を、正面からAIの使用法をめぐる問題提起の形で描くのではなく、兄と妹の感動ドラマに、果たして完全犯罪は成立するのかというサスペンスを絡め、ミステリ仕立てで観客を楽しませながら、AIを無条件に信じる人間心理の危うさを浮き彫りにする。
製作・原案・脚本は、SNSがモチーフの映画『#マンホール』脚本の岡田道尚。監督は映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の近藤亮太でホラー映画の味付けも。
最後に不思議な苦みのある一本
突発的な犯罪を犯してしまった兄妹がAIを駆使して完全犯罪を成し遂げようというもの。タイトルからしてAI社会を風刺した一本なのだろうと思ったのですが…。実際にそれは間違ってはいないのですが、その先にちょっと”オッ”と思わせる展開が待っていて、意外な意地の悪さ、不思議なほろ苦さを感じさせる一本となっていました。重岡大毅がパブリックイメージ通りとも言える好青年を演じているのが、実は大きなカギとなっているのはなかなか巧い作りで、その分他のキャストのキャラクターに”遊び”を入れる余地が生まれました。最後の最後まで実が詰まった一本でした。






















