クジラに落ちた男:映画短評
ライター2人の平均評価: 4
サバイバル活劇と人間ドラマが同期する
サバイバル活劇であり、同時に人間ドラマ。主人公が亡父の遺骨を探して海に入るとき、その深部に潜水していくという行為は、そのまま彼自身の心理の奥深くに潜り込むことと重なる。海の巨大な生物の体内に飲み込まれた主人公が、そこから脱出するためにする壮絶な試行錯誤は、そのまま、大きすぎる父の影から脱出するための試みでもある。主人公は、その過程でさまざまな発見をしていく。物理的現象と心理の動きが同期する。
主演は『バイオハザード』に続き今回も全編ほぼ一人芝居のオースティン・エイブラムズ。「ウォーキング・デッド」ではアレクサンドリアに住み、父に虐待されカールを逆恨みする少年ロン役だったが、今や大活躍。
どこまで現実的なのかは置いといて、映画的には未体験ゾーンで◎
「ピノキオ」のようなファンタジーも一瞬期待したが、クジラ体内の有無も言わせぬ閉塞感、粘着感、息苦しさで攻めてくる。体内に響く「音」の攻撃性もヤバい。その切迫さが映画の大半だが、要所に過去のシーンが挟まれるので、こちらは「息つく」暇はある。他の海中生物もサバイバルの運命にうまく機能してたりと、感心するシーンはあちこちに。
方向性によってはB級キワモノ作品に持って行けた題材も(じつは、そっちに期待してた)、メジャースタジオ、しかもディズニー配給らしい流れが用意され、変な不安は抱かなくてOKです。
オースティン・エイブラムスは同じく主演を務めた「バイオ」ほどは振り切れず、そこは役に沿った真摯な印象。





















