ケルト・ユートピア (2025):映画短評
民族音楽を通じて浮かび上がる過去の傷跡と未来への希望
フォーク・リバイバルと呼ばれるムーブメントが起きているというアイルランド。これは、その最前線に立つミュージシャンたちの演奏とインタビューで構成されたドキュメンタリーだ。浮かび上がるのは南北に分断されたアイルランド島のリアルな実像。今も残る植民地時代の負の遺産、苦難に満ちた民族の歴史、そして根深い宗教や政治の問題。アイリッシュ・フォークの新たな担い手である彼らは、祖国を愛すればこそ社会の矛盾や歴史の恥部を糾弾し、抑圧への抵抗や人生の悲哀を歌い継いできた先人たちへ敬意を払い、自分らの手でより良き未来を築かんと訴える。昨今の「音楽に政治を持ち込むな」がいかに愚かで浅はかな考えか分かるだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます





















