バックルームズ (2026):映画短評
ライター3人の平均評価: 4
部屋の奥に恐ろしい何かが必ず待ち、わかってても見たくなる本能
デジタルネイティヴなZ世代の気鋭監督にもかかわらず、舞台を1990年代にしたことでネットやスマホと無縁のアナログな手触りを強調。その結果、謎の部屋の仕組みの面白さ、得体の知れないスリルが増幅する。そのあたりも計算済みの、天才のなせる業(わざ)。
聴覚と視覚で挑発し、お化け屋敷的な俗っぽさも醸しつつ、やりすぎない寸止め的な演出は、もはやベテラン監督のレベルか。
観ているこちらは終始、現実と夢のボーダーが曖昧になっていく甘美な時間に浸る。実生活でこのような状況に陥りたくないものの、閉所恐怖を超越し「そこ」に入ってみたい欲求が刺激され続けるのは事実。
終盤のまとめ方が弱くなければ、★満点だったかも。
怪現象x謎解きx心理サスペンス
空き倉庫のような、一見、どこにでもありそうな空間で、奇妙なことが起きる。そんなシンプルなアイデアに基づく短編の数々がネットで人気を集め、一つの長編映画になったのが本作。全米公開時には、映画の内容よりも、監督ケイン・パーソンズの現在21歳という若さや、同時期公開の『オブセッション 災愛』と並ぶ"低予算映画で全米大ヒット"という話題が先行した感があるが、実は映画自体の創り方が、かなりスマート。
怪現象ものであると同時に心理サスペンス。謎解き要素を組み込みつつ、すべてを説明せずに考察の余地を残す。部屋という"空間"に、人間心理の"層"を重ね合わせる。そこに人間の情緒的な要素も加味している。
自分の心の写し鏡か?
ネット初の無限の続く”リミナルスペース”を扱った一本。ホラー映画と言っていいのだろうが、説明と解釈次第によっては他のジャンルの映画と言うことができる、ジャンル横断的な一本。設定だけきくとワンアイデアで押し切る映画のようにも思えるが演者としてキウェテル・イジョフォーとレナーデ・レインスヴェが揃い、作り手にはジェームズ・ワンが名前を連ねるなど、一級品としての体制が整っている。監督のケイン・パーソンズはYouTubeで動画展開をしていたとはいえ、これが初長編ということに驚かされる。この映画を見てから自分ならバックルームズに足を踏み入れるかどうか考え込んでしまった。
























