ジュディ・シル 贖罪のシンガーソングライター (2022):映画短評
このドキュメンタリー自体が複雑怪奇な彼女の作品のよう
初めてジュディ・シルの歌声を耳にしたのはいつだったか。「The Kiss」か「Jesus Was a Cross Maker」。一聴してその清冽さと、なぜか不穏に感じるヤバさの共鳴に心奪われた。後々、バックボーンを薄らと知って、分かった気になっていたのだが、それがかなり改められた次第。
ジュディ・シルは本人の素養、それから環境によって造られていたキャラクターもあって、1970年代前半の“陽だまりの時間”をポジとネガ、双方で体現していた。ただしバランスがえらく悪い。が、そこが蠱惑的でもある。そんな実像に迫ろうとした本作も歪(いびつ)で、でもこのドキュメンタリー自体が複雑怪奇な彼女の作品のよう。
この短評にはネタバレを含んでいます





















