魂のきせき (2025):映画短評

2026年10月24日公開 97分

魂のきせき
(C) Kasama Film
中山 治美

『阿賀に生きる』から貫かれるドキュメンタリストの姿勢

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

小林監督は、撮影で参加した『阿賀に生きる』の制作中、スタッフと被写体の関係性が表れていないと佐藤真監督に再編集を迫ったことがある。”撮影中、互いに影響を受け合ったのだから何かしらの変化があったはずだ”と。その姿勢は本作でも貫かれている。性暴力サバイバーを撮ると決めたものの、彼女たちの心情は揺れ動き一筋縄ではいかない。その葛藤や戸惑いも映し出し、観る者にもPTSDを分かった気にさせない。取材者との対話では、自身にもあった暴力のトラウマに気付く。そして本作を機に、性暴力被害を公の場で語る決意をした人も。関わった人の魂が繋がっていく軌跡と奇跡。この”きせき”は、今後も続くだろうという余韻を残して。

この短評にはネタバレを含んでいます

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