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往年のハリウッド映画の名編集者たちが映画の名シーンの裏側を明かす!

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左からアンドリュー・ワイスブラム、マイケル・バーレンバウム、アンドリュー・モンドシェイン、スーザン・E・モース、ジョー・クロッツ
左からアンドリュー・ワイスブラム、マイケル・バーレンバウム、アンドリュー・モンドシェイン、スーザン・E・モース、ジョー・クロッツ - Photo:Nobuhiro Hosoki

 ハリウッドの第一線で活躍する編集者たちが、ニューヨークで開催中のEdifestで、彼らが認める往年の映画の優れた編集シーンを明かし、編集に対する熱い思いを語ってくれた。

 映画『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズを手掛けたマイケル・バーレンバウムは、優れた編集シーンとして、セルジオ・レオーネ監督の映画『ウエスタン』の冒頭シーンを挙げる。「12、13分カットがほとんどなく、列車を待つ3人の男が時間をつぶしているだけなのに、徐々に盛り上げる演出をしているんだ」と話し、「観ただけで観客の心をつかみ、次のシーンへの期待を膨らませてしまうシーンだ」と評した。マイケルによれば、映画というものは、冒頭シーンでそれが素晴らしいかどうかわかってしまうそうだ。

 映画『プレシャス』のジョー・クロッツは、アル・パチーノが主演した映画『狼たちの午後』で、アル演じる主人公が率いる3人の強盗が押し入るシーンを挙げ、「強盗に押し入っているのに、笑わせてくれるコミカルなシーンがたくさんある! コミカルさと緊迫感がうまく編集されているんだよ」と話す。また、オープニングに曲が使われた後、全く曲が流されず、ドキュメンタリー映画を観ているような感覚で楽しめる本作について、「編集を学ぶ人には、曲を使わずに映像で見せる映画制作を、この映画で学んでほしいね」と話してくれた。

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 映画『カサノバ』のアンドリュー・モンドシェインは、「これほどのバイオレンスシーンをそれまで観たことがなかった!」と映画『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』の最後の襲撃シーンを挙げ、昨今のアクション映画に苦言を呈した。「巧みにスローモーションが使われているこのシーンは、どうすれば効果的かがしっかりと考えられているから、そのスローモーションが生きてくる。だが、最近のアクション映画では、ストーリーとかかわりなくスローモーションを使っていて、それでは観客の心は離れていってしまうと思うよ」と話した。

 映画『ラブソングができるまで』『噂のモーガン夫妻』とヒュー・グラント作品を続けて手掛けたスーザン・E・モースは、ジュリアン・シュナーベル監督の映画『潜水服は蝶の夢を見る』の、病院で主人公が目覚め、最初はぼやけている視界が徐々に開けていくシーンを挙げた。これは、監督だけでなく、全てのスタッフと話し合いながら編集していかなければならないシーンだと指摘し、編集は共同作業であると語った。

 そんな編集作業について、映画『レスラー』のアンドリュー・ワイスブラムは、もし編集の段階でプロデューサーと監督がもめたら、100%監督に付くべきだという興味深い話をしてくれた。それは監督が、最もストーリーを理解している人物だからそうだ。

 映画学校や映画学科で、編集だけでなく、俳優の勉強をするのも、編集する上でプラスになると話す、ハリウッドの編集者たちからは、映画制作に懸ける職人気質のようなものが感じられた。映画をさまざまな視点で観ることができる者こそ、第一線で、編集者として活躍することができるのだろう。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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