『ホビット 竜に奪われた王国』のエルフ語はトールキンのファンタジーの原点!

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エルフ語研究家で信州大学准教授の伊藤盡(いとうつくす)氏

 映画『ホビット 竜に奪われた王国』に隠された、エルフ語を知っている人だけにわかる秘密を、エルフ語研究家で信州大学准教授の伊藤盡(いとうつくす)氏が明かした。伊藤氏は中世英語・中世北欧語文献学者で、原作者J・R・R・トールキンの研究家でもあり、映画『ホビット』『ロード・オブ・ザ・リング』の両シリーズで、エルフ語の監修を務めている。

同じエルフでも実は種族が違うタウリエルとレゴラス 映画『ホビット 竜に奪われた王国』フォトギャラリー

 エルフ語とは、言語学者だったトールキンが創造した人工言語。彼はそれが現実の言語と同じく時代によって変化していくさまも描きたいと考え、その使い手として何千年も生きるエルフという存在を生み出したのだとか。エルフ語は、いわばトールキンのファンタジーの原点なのだ。その研究家である伊藤氏は、原作にはない多数の映画オリジナル部分が、実は原作者トールキンの設定を細部まで意識して作られていることを分析。

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 それを象徴するのが映画オリジナルの登場人物であるエルフのタウリエルで、「彼女の名前にも秘密があり、エルフ語で『タウル』は森、『イエル』は娘、つまり彼女の名前は『森の娘』。この名前は彼女の種族をも暗示しており、レゴラスは西方の神々の祝福を受けた種族テレリの系譜ですが、タウリエルは祝福を受けに行く途中で中つ国にとどまった種族シルヴァンだという設定。この種族は森の中で自然と共に暮らすのを好むので、森を守るために大クモやオークと闘うわけです」と解説する。

 種族の特性は彼女の行動にも現れていて、「彼女は森のエルフなので、レゴラスの父王が築いた地下王国にいるとなにか居心地がよくなさそうなんですね」と、トールキンの設定に基づく演出が行き届いていることを指摘。髪の色についても、「トールキンはエルフの髪の色もかなり意識的に設定していて、高貴なエルフは金髪が多く、黒髪もいますが、これまで映画の中に赤毛のエルフはいませんでした。プロダクション・ノートによると、タウリエルが赤毛なのは勇ましさを表すためのようですが、ある意味でピーター・ジャクソン監督が種族の違いを意識して承認したのだと思います」と推測している。

 さらにドワーフ語についても、「トールキンの設定では、ドワーフは他の種族が聞いているところでは絶対にドワーフ語を話しません。でもこの映画の観客は、原作の登場人物たちもできなかったドワーフ語を見聞きするという、とても貴重な体験ができるんですよ」と、言語に注目することでより深い楽しみ方ができることを明かしてくれた。(取材・文:平沢薫)

映画『ホビット 竜に奪われた王国』は全国公開中

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