原点は『ゴジラ』!伊映画祭で日本のSF映画特集が好評

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特集上映のカタログ イタリアの著名イラストレーターが手掛けた『時をかける少女』のイメージイラストがキュート!

 北イタリアで先月開催された第18回ウディネ・ファーイースト映画祭で、『ゴジラ』以外の日本のSF映画にスポットを当てた特集上映「BEYOND GODZILLA: ALTERNATIVE FUTURES AND FANTASIES IN JAPANESE CINEMA」(「ゴジラを超えて: 日本映画におけるオルタナティブとファンタジー」)が好評を博した。プログラミングを手掛けた日本在住の米映画評論家マーク・シリング氏は、「外国人である僕の日本映画の原点は、本多猪四郎監督の『ゴジラ』(1954)」と明かし、企画の意図や選出した作品について語った。

 アジアの新作大衆映画を上映する同映画祭では、例年、特集上映にも力を入れている。これまでも第2回(2002)に「Udine P-1 Grand Prix」(「ウディネ P-1グランプリ」)と題して若手のピンク映画監督による作品を集め上映、第7回(2005)には日活アクション作品、第12回(2010)には新東宝映画作品の特集上映を敢行、それまで海外で紹介されることのなかったコアなジャンルにスポットを当ててきた。

 そして、第2回から日本作品のコンサルタントを務めているシリング氏が、数年前に照準を定めたのがSF映画。映画祭側の思惑とタイミングが合わず時間を要したが、結果、ギレルモ・デル・トロ監督作『パシフィック・リム』(2012)に続いてハリウッド映画『GODZILLA ゴジラ』(2014)の公開と、怪獣特撮映画がクローズアップされた後の、絶妙なタイミングでの企画実現となった。

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 企画理由について、シリング氏は「外国人である僕の日本映画の原点は、本多猪四郎監督『ゴジラ』(1954)で、小津安二郎や黒澤明との出会いは、それよりずっと後のことです。米国にいた12、13歳の頃に日本のSF特集を見る機会があったのですが、ハリウッドの影響を受けている作品もあるけど、独自の発想とセンスがあって面白い。あのゴジラというオリジナルのキャラクターを生んだようにね」と説明した。

 特集では、『ゴジラ』はすでに海外でも知られているため、本多監督の別作品と、SFファンタジーを数多く手掛けている大林宣彦監督作を中心に10作が選ばれた。異色は岡本喜八監督作『ブルークリスマス』(1978)で、UFOと遭遇した人の血が青く変色し、全く害はないものの、彼らの増加を恐れた人間たちの陰謀で殺害対象になるという特撮のないSF映画。倉本聰によるオリジナル脚本の、人種差別問題をテーマにした意欲作だ。

 同作について、シリング氏は「僕の好きな作品で、ちょっと冒険をして選びました。宇宙人が攻めてくると思わせておいて、違う問題が起きる。そういうお客さんの期待を裏切る作品を1本ぐらい入れるのもいいでしょう?」とニヤリ。続けて、「ただ映画祭全体の上映本数を考慮して10作品となったけど、ちょっと少なすぎる。もう少し幅広く作品を紹介したかったですね」と語った。

 それでも新東宝映画と日活アクション映画の特集上映後、ウディネから世界各地の映画祭などで巡回上映されたように、今回の特集もすでに上映依頼が届いているという。今年7月29日には『シン・ゴジラ』が日本公開、2019年にはハリウッド映画『GODZILLA ゴジラ』の続編『ゴジラ2(原題) / Godzilla 2』の全米公開が予定されており、“ゴジラ超え”の作品群も注目を浴びそうだ。(取材・文:中山治美)
 
「BEYOND GODZILLA: ALTERNATIVE FUTURES AND FANTASIES IN JAPANESE CINEMA」の上映作品は以下の通り。

本多猪四郎監督作『地球防衛軍』(1957)
本多猪四郎監督作『マタンゴ』(1963)
本多猪四郎監督作『怪獣大戦争』(1965)
本多猪四郎監督作『緯度0大作戦』(1969)
岡本喜八監督作『ブルークリスマス』(1978)
大林宣彦監督作『HOUSE ハウス』(1977)
大林宣彦監督作『ねらわれた学園』(1981)
大林宣彦監督作『転校生』(1982)
大林宣彦監督作『時をかける少女』(1983)
金子修介監督作『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)

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