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『先生!』『兄こま』『ピーチガール』少女マンガ実写化なぜ多い!?

この10年で変わった邦画事情 写真は『先生!』より
この10年で変わった邦画事情 写真は『先生!』より - (C) 河原和音/集英社 (C) 2017 映画「先生!」製作委員会

 昨今、少女マンガを実写化した映画が多く製作されている。今年に入ってからも『兄に愛されすぎて困ってます』『ピーチガール』『ひるなかの流星』『PとJK』などが公開されたほか、10月には生田斗真広瀬すずが共演する『先生!』が公開を控えている。なぜこれほどまでに少女マンガというコンテンツは重宝されているのだろうか。

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10代女性がターゲットに

 『先生!』は、映画化もされた「青空エール」「俺物語!!」などで知られる河原和音が手掛け、1996年から2003年まで別冊マーガレットで連載された同名コミックの実写化。『ホットロード』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』など青春映画の名手として知られる三木孝浩監督がメガホンを取り、ぶっきらぼうな性格だが生徒思いな高校教師の伊藤貢作(生田)と、彼に生まれて初めての恋をする女子高生・島田響(広瀬)の不器用な恋愛模様を描く。

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 同作を手掛ける濱名一哉プロデューサーは「映画を観る人たちが10年前から変わってきていると思います。10年前、映画館のメインターゲットは20代~30代女性でしたが、おそらく今の映画館を支えているのは、10代の女性だと思います。その子たちに向けて映画を作るという動きに変わってきているのではないかなと」と語る。

 また、その原因は若い世代のテレビ離れが影響しているのではないかと分析する。「テレビで流行るドラマなどは、割とエッジが効いたものが多くなってきていて、高校生同士の恋愛ドラマを描くものは数が少なくなり、テレビを見る年齢層が上がっている気がします」。

邦画のヒットが当たり前の時代

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『先生!』より広瀬すず、森川葵、竜星涼 - (C) 河原和音/集英社 (C) 2017 映画「先生!」製作委員会

 邦画に対する観客の意識も、この十数年で大きく変わってきた。「邦画がヒットするのが当たり前の世の中で育ってきた子たちが大人になったなと思います。よほど映画を観ている人じゃないと邦画を選ばない時代から、2000年代後半に邦画の興行収入シェアが洋画を上回るようになって、邦画の面白さを信じられる子たちが大人になってきている」。

 『先生!』を配給するのは洋画メジャーのワーナー・ブラザース映画で、「『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒットが2004年。それ以来、邦画がヒットするという認識が広まった気がします。うれしいことですね。ワーナーの邦画が活性化したのも、ここ10年くらい。邦画が面白いんだということを洋画会社も言っている、ということになりますからね」と笑う。

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作品選びの傾向に変化

 少女マンガの実写化が増える中で、作り手側の作品選びにも変化があったようで、「新旧問わず良い原作が選ばれるようになってきた、と言うと語弊があるかもしれませんが、最近のものだけじゃなくて、往年の作品の中からお話自体がすごく魅力的な作品を映画にしようとする傾向に変わっている気がします。少し前までは発行部数が多い作品や、流行っている作品が実写化されることが多かったと思いますが、最近は良い話の作品をじっくりと映画化することが多くなってきています」と濱名プロデューサー。

 『先生!』の原作も20年以上前に連載開始した作品だが、「原作の持つ魅力は、硬派な男性キャラクター。女性に優しい男性というよりは、伊藤先生をはじめ、本質的には優しいんですが、少し昔気質の男性が描かれている。そういう意味で、ちょっと昔に書かれた原作であるというところがあるかなと。それが現代ではかえって魅力的に見えるなと思います」とアピール。

 「主人公も、最近のマンガではおしゃれだったり美人であることが前提であることが多いですが、響はヒロインでありながら割と地味な女の子で、物語自体に大きな魅力があると思います。だからこそストレートに描かないと、と思っていますし、単なる“少女コミックの実写化”というよりは、すごくストレートな恋愛ドラマとして楽しめるのではと思います」と自信をのぞかせた。(編集部・中山雄一朗)

映画『先生!』は10月28日より全国公開

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