日仏共同監督作、凱旋上映!第18回東京フィルメックス・コンペティションに選出

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日仏合作映画を手掛けた五十嵐耕平&ダミアン・マニヴェル共同監督

 本年度のベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で上映された五十嵐耕平ダミアン・マニヴェル共同監督の『泳ぎすぎた夜』(来春日本公開)が、第18回東京フィルメックスのコンペティションに選ばれたことがわかった。日本での上映は同映画祭が初めて。ベネチアに続いて、スペインで開催中の第65回サンセバスチャン国際映画祭の新設部門タバカレラにも選出とされており、日本での凱旋上映が注目されそうだ。

【作品写真】注目の鳳羅(たから)君はこの子!『泳ぎすぎた夜』

 同作は、五十嵐監督が『息も殺して』(2014)で第67回ロカルノ国際映画祭新鋭コンペティション部門に参加した際、同じく『若き詩人』で参加していたマニヴェル監督と意気投合し、共同監督を務めた日本・フランス合作映画。国際映画祭での出会いがきっかけで監督たちが集まり、短編オムニバスを制作する例は多いが、共同監督は珍しい。

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 また最近は深田晃司監督『淵に立つ』や河瀬直美監督『』のように、フランス外務・国際開発省とフランス国立映画・映像センター(CNC)が行なっている外国映画に対する助成制度シネマ・デュ・モンドを活用しての共同製作が増えているが、その支援に頼ることなく日本とフランスの映画会社の資金のみで製作されている。

 五十嵐監督は共同監督に至った経緯について「ロカルノでお互いの映画を鑑賞した際、フィーリングが似ているなと思いました。だから映画を作るとなった時も、お互いのアイデアをリスペクトしながら撮影できましたし、現場はやらなければいけない作業がたくさんあり2人で手分けしながら出来たのが良かった。むしろ、僕一人だったら何も出来なかったかもしれない」という。

 夫人が日本人で、日本語が堪能なマニヴェル監督も「撮影は日本で、僕以外のスタッフは全部日本人で。その後の編集はフランスで行い、僕がいつも組んでいるスタッフが担当しました。現場では、僕の日本語の理解が追いつかず混乱することもありましたけど、両国のチームの利点を映画に生かすことが出来たと思います」と説明する。

 映画は、青森の津軽地方を舞台に、少年が市場で働く父親に自分が描いた絵を届けようとする冒険物語。画家・谷内六郎の同名タイトルの絵からインスピレーションを受けて脚本をしたためたが、ロケ先でスカウトした、撮影当時小学校1年だった古川鳳羅(たから)君のアイデアも生かしながら物語を膨らませていったという。撮影期間は、小学校の授業がある鳳羅君のスケジュールと集中力を鑑みながら1日おきに撮影を行い、計1か月半かけている。

 五十嵐監督は「鳳羅君は『映画をやりたい』というモチベーションは高かったけど、やはり子供なので瞬間瞬間の振り幅はあり、『ヤダ』とか『遊びたい』といい出す時もありました。でも『じゃあ撮影はこれで終えるけど、大丈夫?』とたずねると『僕やる』と(笑)。スカウト先で元気に走り回っていたのが目に止まり出演してもらったのでリスクはあるかもしれないけど、その分可能性もあるし、クリエイティブだし、面白いし、人間性も好きです」と鳳羅君に賛辞を贈る。

 鳳羅君は共に出演している母親と姉と一緒に、ワールドプレミアとなったベネチア国際映画祭にも参加。すっかり、取材した記者たちのアイドル的存在になっていたようだ。ただマニヴェル監督いわく、映画を見た鳳羅君の感想は「この映画はまだ終わってない」だったとか。思わぬ続編への意欲に、五十嵐監督も「え?マジで?」と驚いたという。

 その鳳羅君の希望がかなうか否かはまだわからないが、映画はすでに世界中を一人歩きしはじめている。サンセバスチャン国際映画祭の後にも、カナダの第46回モントリオール・ヌーヴォー映画祭(10月4日~15日)、ベルギーの第44回ゲント映画祭(10月10日~20日)などへの参加が決まっている。

 なお、サンセバスチャン国際映画祭のタバカレラ部門は上映時間もジャンルも、撮影スタイルも規定はなく、独自の視点と自由な発想で新たな創造に挑んでいる作品を集めており、本年度のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したスウェーデンのリューベン・オストルンド監督『ザ・スクエア(原題) / The Square』や山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映されるフレデリック・ワイズマン監督『エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館』などが選出。

 最優秀作品賞にあたるタバカレラ賞には、フランスのクレマン・コギトール監督『ブラギーノ(原題) / Braguino』が選ばれ、賞金2万ユーロ(約260万円。1ユーロ=130円換算)のうち、6,000ユーロが監督に、1万4,000ユーロがスペインの配給会社に贈られる。(取材・文:中山治美)

第18回東京フィルメックスは11月18日~26日、東京・有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催

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