マッツ・ミケルセン、独りぼっちに快感 幼少期のエピソードも

9月に来日したマッツ・ミケルセン

 ドラマ「ハンニバル」や映画『ドクター・ストレンジ』などで知られるデンマークのスター、マッツ・ミケルセンが、北極地帯に取り残された男にふんしたサバイバル映画『残された者-北の極地-』が間もなく公開される。9月に来日したマッツが、本作で挑んだほぼ一人芝居、孤独との向き合い方について語った。

【動画版】マッツ・ミケルセンインタビュー

 マッツが演じるのは、飛行機が墜落し、北極地帯で「SOS」を出し続けるパイロットのオボァガード。彼をを襲うのは、飢えと孤独、そして獰猛なホッキョクグマ。さらに、極度の寒さから手足の指が壊死しつつある。壊れた飛行機を寝処にし、荒野を歩き回り、魚を釣り、救難信号を出す日々のルーティーンをこなしていた彼の前に、ようやく救助にやってきたヘリコプターが姿を現すが、あっけなく墜落。女性パイロットが重傷を負ったことで、オボァガードは行動を起こすことになる。

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 撮影を行ったのは、マイナス30度℃のアイスランド。キャストは、何と3人のみ。一人はヘリコプター内で死亡し、もう一人は重傷を負い意識を失っているため、ほぼマッツの一人芝居。マッツは撮影をこう振り返る。「寂しかったよ。だから二人目の役者(女性パイロット)が参加した時は、僕にとっても大きな一日だった。一人の演技に飽きていたところもあったし、彼女が登場する場面は作品のギアが変わる瞬間だったと思う」

北極地帯に独りぼっちの『残された者-北の極地-』(C) 2018 Arctic The Movie, LLC.

 劇中、マッツはほぼセリフがなく、表情や肉体で感情を表現しているが「逆にセリフが少ない作品の方が楽しめる」と闘志を燃やした様子。雪に足跡を残せないためクルーもごく少人数だったそうで、遠景を撮影するときにはマッツ一人がスタッフから遠く離れた場所に移動した。そんなときには「もしかしたら永遠に僕が見つからないんじゃないかという感覚すらあった」と振り返る。しかし、一方で新たな発見もあった。「逆にいいなと思ったのが、この巨大な世界の中で人間なんて大した存在ではないんだと実感できたこと。もちろん自分がいなくなったら家族は悲しむと思うけれど、地球という惑星が一人の人間のことをそこまで気にかけないものなんだ、ということが新鮮に感じられたんだ」

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重傷を負った女性パイロットを助ける使命が生きる糧に(C) 2018 Arctic The Movie, LLC.

 『007/カジノ・ロワイヤル』の悪役で知名度を上げ、ドラマ「ハンニバル」でブレイクして以来、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『ドクター・ストレンジ』など大作を含め、出演作が続くマッツ。多忙につきあまり孤独とは縁がなさそうだが、自ら好んで孤独な状況に身を置くことが多いのだとか。そして、幼少期のエピソードを語り始めた。「子供のころ、農村の近くに森があってその中で迷子になることがとても好きだった。誰も自分を見つけられなくなるという感覚が、自分にとっては魅力的なことだったんだ。なぜそう感じるのかはわからないんだけれど。とにかくその感覚を楽しんだし、犬と一緒にいることが多かったけれど、自分が消失するということに魅力を感じていた」

 また、孤独について独特の持論があり「そもそも孤独であることと、孤独を感じることは別なことのように思う。例えば、パーティーで多くの人に囲まれている中で孤独を感じる人もいれば、一人なんだけれど孤独に感じない人もきっといると思う。僕自身はあまり孤独、寂しさを苦にしないタイプ」とのこと。孤独な時間の過ごし方を尋ねると、「読書もするけれど、よく何時間も自転車に乗っている。何も考えないで頭を空っぽにしてね。体を動かすことが好きだから、それを通して頭をクリアにしたいというのはあるね。あとは何気ない風景を一人で眺めることも好きだな」と実にさまざま。

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 現在、主演映画『アダムズ・アップル』が公開中。11月8日より本作のほか『永遠の門 ゴッホの見た未来』が公開となり、小島秀夫監督の新作ゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」もリリースされる。絶え間ない出演オファーの中で、どのように作品を選んでいるのか。「すごくシンプルで、脚本を読んで気に入るかどうか。興味を持てたら監督と話してみようとなるし、あまり好きじゃないと思っても周りの人がいいと思うと言ってくれて、監督から説得されるケースもある。だけど、オファーが多くても量が質につながるわけではないんだ。いい脚本に巡り合う確率は高くなるとは思うけれど」

 『残された者-北の極地-』への出演の決め手もやはり脚本だったそうで、これが長編監督デビュー作となるジョー・ぺナが手掛けた脚本を「美しくシンプルなストーリー」と称えていた。(編集部・石井百合子)

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