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『キングスマン』監督、年代ごとにスパイの世界を掘り下げていきたい!今後の展望を語る

左からマシュー・ヴォーン監督、レイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソン、ジェマ・アータートン
左からマシュー・ヴォーン監督、レイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソン、ジェマ・アータートン - (c) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 映画『キングスマン』シリーズのマシュー・ヴォーン監督が、今後やりたいことや第1次世界大戦時を舞台にした新作『キングスマン:ファースト・エージェント』にどのように取り組んだのかを語った。

【画像】サラエボ事件も再現した『キングスマン:ファースト・エージェント』

 ヴォーン監督が今後やりたいジャンルは、ずばりSFとのこと。「大掛かりなSFをぜひやってみたいものだよ。まだ見つけてはいないが、探しているところなんだ。SFはやるのがどんどん難しくなっていると思うよ。SFは今や(サイエンス・フィクションではなく)サイエンス・ファクトになってきているから。でも、SF大作をやりたい。『DUNE/デューン 砂の惑星』が製作されているのを知って、かなり嫉妬した。あれは自分がやれれば良かった」

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 前日譚である『キングスマン:ファースト・エージェント』が人々に気に入ってもらえた暁には、次にやりたいこともすでに考えているのだという。「キングスマンやファッションを通して、年代ごとにスパイの世界をさらに掘り下げて行きたいということを考えている。SF以外にも、追求することができる要素はたくさんあるんだ。いや、500年後の宇宙を舞台にしたキングスマンもありかもしれないが、ね。いやいや、やっぱり今のは取り消しだ」と笑った。

 歴史的な出来事や人物を多数取り上げた『キングスマン:ファースト・エージェント』の制作は、徹底的に史実を下敷きにするところから始まった。「本作では史実に囚われたね。非常に興味深い史実があまりにも多く、そういったものを自分で思い付くことなど到底できなかった。フランツ・フェルディナント(オーストリア皇太子)を暗殺するために手榴弾が投げ付けられるも外れ、後続の車が爆破される。彼は演説した後、車に乗り込むが、道に迷って間違った道を行ってしまい行き止まりにやってくる。車をバックさせていると、そこにあったカフェで偶然、暗殺者がコーヒーを飲んでおり、『お、またチャンスじゃないか』とフェルディナントを殺害する。それがきっかけで第1次世界大戦が勃発するわけだが、こんなことは創作などできないものだよ。だってあり得なすぎるから」

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 そして、イギリス王ジョージ5世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世、ロシア皇帝ニコライ2世を『ボヘミアン・ラプソディ』のトム・ホランダーに一人三役で演じさせたのも史実に基づいた選択だった。「彼ら三人はいとこで、そのうち二人はまるで一卵性双生児であるかのようにそっくりだった。ドイツ皇帝は子供の頃、イギリス王とロシア皇帝からいじめられていたため、彼らに対して戦争を仕掛けたいという思いをずっと抱いていた、トランプ(元米大統領)のような狂人だった。こういった事実があまりにも面白いから、『変更する必要などあるのか?』と感じた」

 「本作を観た観客は『なぜ同じ役者が、イギリス王ジョージ5世とロシア皇帝の両方を演じているのだろうか?』と思うかもしれない。ならば、ジョージ5世とロシア皇帝をグーグル検索してみてほしい。この二人は本当に瓜二つなんだよ。それは世界がいかに狂っているかを証明しているようなものだ。だから、変更する必要があるものなど、何もなかったね」と“事実は小説よりも奇なり”を地でいく歴史の中で『キングスマン』を描く醍醐味を語っていた。(編集部・市川遥)

映画『キングスマン:ファースト・エージェント』は公開中

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