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青木柚、ジョニー・デップと共演も「実感なし」 ビッグチャンスを経た21歳の今

青木柚
青木柚 - 写真:上野裕二

 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」やドラマ「きれいのくに」などで注目を浴びた21歳の若手・青木柚。とりわけ今年は9本のテレビ・配信ドラマ、4本の映画が公開されるなど多忙を極めた。そんな彼のキャリアの中で特筆すべきが、昨年公開の映画『MINAMATA-ミナマタ-』でジョニー・デップと共演したこと。10代の時に体験したというそのかけがえのない体験や、俳優として飛躍を遂げた2022年を振り返った。

青木柚インタビュー撮りおろし<7枚>

 青木は現時点で最新作『はだかのゆめ』(公開中)を含め主演映画は4本(ダブル主演含む)。来年も、2本の主演映画の公開を控える。彼の知名度が急速にアップしたのが、2021年に放送されたNHKドラマ「きれいのくに」、そして連続テレビ小説第105作「カムカムエヴリバディ」だ。「きれいのくに」では美容整形が当たり前となり、ほとんどの大人が同じ男(稲垣吾郎)と同じ女(加藤ローサ)の顔をしている架空の世界で、恋や見た目のコンプレックスに悩む高校生グループの一人を演じた。物語は吉田羊ら大人キャストによる夫婦のエピソードから始まるが、第3話から唐突に高校生たちの話に変わり、以降は実質青木が主演ポジションを担っていた。2021年11月から2022年4月まで放送された「カムカムエヴリバディ」では、3人目のヒロイン(川栄李奈)の弟で、恋と野球に明け暮れるピュアな高校生・桃太郎を丸刈り頭で好演していた。

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写真:上野裕二

 その同時期に公開されたのが、ジョニー・デップ主演の映画『MINAMATA-ミナマタ-』。同作は1971年から1974年の3年間にわたって、水俣で公害に苦しむ人々の日常と闘いの日々を撮影し、のちに写真集「MINAMATA」を発表したアメリカの写真家ユージン・スミス(ジョニー・デップ)の軌跡をたどる物語で、青木は水俣病患者の少年を演じた。劇中、デップと1対1のシーンもあり、言語の違いを超えてスミスにカメラの扱い方を教わるというシチュエーションで存在感を発揮していた。オーディションの話が舞い込んだのは10代のころ。青木は、当時を以下のように振り返る。

 「オーディションの段階では『いやいや……受かるわけないでしょ』と他人事のように感じていました。ジョニー・デップさんと共演というのは自分の日常とかけ離れすぎていたので。撮影が始まってからも特殊メイクをしていたこともあって、実感がないまま演じていました。デップさんとの共演も緊張していたかと言うとそうでもなくて。というのも、デップさんってキャラクターとの距離がものすごく近い方で作品ごとに雰囲気も全く違うので、現場でも彼と共演している感覚はほとんどなかったんです」

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 日本からは真田広之をはじめ、美波國村隼浅野忠信加瀬亮らそうそうたる顔ぶれが集結していたこともあり、「ポツンとお邪魔させていただいた感覚」と恐縮する青木。「自分がこの場所にいられるのが不思議で仕方がなかった」ともいう青木だが、あこがれのスターと接するチャンスとあって、意を決してデップにアプローチしたことも。

 「以前、デップさんが出演されている『ローン・レンジャー』(2013)という作品の日本語吹き替えに参加させていただいたことがあって、休憩時間にそれをデップさんにつたない英語で伝えたんです。そうしたら胸に手を当てて『ありがとう! 一緒に写真撮ろう』と言ってくださって。そういうふうに、気さくでナチュラルな方だったので撮影期間中は委縮することもなく、後になって『僕はジョニー・デップと共演していたんだ……』と感じ入ることの方が多かったです」

新作主演映画『はだかのゆめ』より (C) PONY CANYON

 早くも10代でハリウッドスターと共演というビッグチャンスをつかんだ青木だが、その後も着々と歩みを進め、今年は「モアザンワーズ/More Than Words」(Amazon Prime Video)、「すべて忘れてしまうから」(ディズニープラス)など配信ドラマにも立て続けに出演し、活躍の場を広げた。現在放送中のドラマ「最初はパー」(テレビ朝日)では芸人の卵という設定でコメディーに挑んだ。そして、4本目の主演映画『はだかのゆめ』が公開中だ。本作は、2ピースバンド「Bialystocks」としても活動する甫木元空監督の家族の話をもとにした祖父、母、息子の3世代にわたる家族の物語で、高知県の四万十川で撮影が行われた。青木が演じているのは、死にゆく母を見守る少年ノロで、「お盆が終わった後に遅れてやってくる幽霊」という不思議な設定だ。

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 「台本を読んでもノロの実態がつかめなくてクランクイン前日まで悩んだ」という青木だが、四万十川での撮影では、これまで感じたことのない感覚を味わった。「完成した作品を観たときに、『自分のこの演技が気になる』『ここは難しかった』といった職業人として思うことがなくて、俯瞰で観られました。それは自分の中では初めての経験でした。(人物の)寄りも少なくて、言葉も少ない。ただ、そこにいる人の営みを切り取った映像なのに、こんなにも人の気持ちが伝わってくるなんて、と驚きましたし、僕の中でも好きな作品になりました。これまで、僕自身は身内を亡くした経験があまりないのですが、この映画を撮影してから、例えば幼いころに亡くした祖父はまだ自我も芽生えていない幼い自分をどういう風に見ていたんだろうとか、死者からの視線を意識するようになった気がします。四万十川の空気感、匂いが詰まっている作品なので劇場でぜひ、ゆらゆらと没入してくださったらきっと素敵な体験になるんじゃないかなと思います」

 多忙を極めた1年を「人と出会えることが好きなんだと実感した一年」と振り返る青木。「撮影現場で名前じゃなくて『彼』と呼ばれる機会も少なくなかったのが、今では『柚くん』とか役名で読んでいただけるのが当たり前になっている。なんてうれしいことだろうと」と、現場での変化も肌で感じている。来年は器械体操を題材にした実話『まなみ100%』、タイムループを描くSF青春劇『神回』(夏公開)と2本の主演映画が待機中。これから挑んでみたい役は? と問うと、「時代劇。殺陣をやってみたいです!」と目を輝かせていた。(取材・文:編集部・石井百合子)

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