落合モトキ＆あの、映画W主演！大江崇允最新作『鯨の骨』
落合モトキとあのが、映画『ドライブ・マイ・カー』（濱口竜介監督と共同執筆）、ドラマ「ガンニバル」の脚本を手掛けた大江崇允監督の最新作『鯨の骨』でダブル主演を務めることが決定した。今秋、渋谷シネクイントほかにて劇場公開される。
本作は、リアルとバーチャルの境界が曖昧になった世界で、“少女”にのめり込んでいく男の物語が展開していく。落合が演じるのは、まったくの未知だったARアプリ「王様の耳はロバの耳（通称：ミミ）」にのめり込んでしまう不眠症のサラリーマン・間宮。あのが演じるのは、孤独なひとびとを引き寄せる“明日香”だ。
結婚間近だった恋人と破局した間宮は、マッチングアプリで唯一返信をくれた女子高生と会うが、女子高生は間宮のアパートで自殺してしまう。うろたえて山中に埋めようとするも、気がつけば死体は消えていた。そして、間宮は「ミミ」の中で、死んだ女子高生と瓜二つの少女“明日香”を発見する。
“明日香”は、「ミミ」を通じて再生できる動画を街中で投稿し、動画目当てのファンたちが街を徘徊するカリスマ的存在だった。間宮は、“明日香”の痕跡を追いかけるうちに、現実と幻想の境界が曖昧になっていく。
明日香に憧れ、「ミミ」内で新たなカリスマを目指す凛役を横田真悠、間宮の恋人・由香理役を大西礼芳、明日香の熱狂的な信者・しんさん役を宇野祥平が担当する。
落合は、「大江監督とイメージを合わせながら撮影していましたが、完成した作品を観た時 自分の中には存在しないジャンルの映画でした。なので皆さんに観ていただいた後の感想が非常に楽しみな作品です。撮影中、印象に残ってるのはあのちゃんを追いかけるシーン。あのちゃんは信じられないくらい足が速くて久々に本気で走りました。でもそれが可愛らしく見えたり。ぜひ劇場にお越しいただけると嬉しいです。よろしくお願いします！」と語っている。
一方のあのは、「ただ無性に冷たくて息もうまく吸えないそんな時期に撮影し、撮影しながらまるで深海にいるような、何度も明日香が自分と重なっては濁って消えていく、そんな体験をしました。鯨の骨でしか味わえない何とも奇妙な浮遊感を皆様にも楽しんでいただきたいです」とコメントを寄せている。
本作は、韓国では釜山国際映画祭に次いで2番目の歴史を誇る国際映画祭・富川国際ファンタスティック映画祭にコンペティション部門に正式出品されることも発表された。（編集部・梅山富美子）
大江崇允監督コメント
「都会の夜は深海に似ている」このフレーズが映画の発端であり、またその全てです。
深海では、海底に落下した鯨の骨に群がり、その栄養を吸って生きる小さな生物群集が存在しています。それらは鯨の骨の栄養を吸い尽くすと、やがて骨と一緒に消えてしまう儚い生物です。そんな生物たちですが、どうやら薄っすらと発光しているそうなのです。僕には深海の点在する光が、まるで空から見た都会の夜の灯りと重なりました。僕が四角い水中眼鏡をかけて見ている世界、それがこの映画です。一人でも多くの人にこの眼鏡を楽しんでいただけたら嬉しいです。
