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「相棒」川原和久、“イタミン可愛い”は予想外 22年目の伊丹憲一「微調整しながら演じ続けたい」

「相棒」“イタミン”川原和久が語る、亀山復帰後の変化&右京との信頼関係 「相棒season22」単独インタビュー » 動画の詳細

 テレビ朝日系の人気刑事ドラマ「相棒」の新シーズン「相棒 season22」が、10月18日からスタートする。前シーズンで杉下右京(水谷豊)の5代目相棒として戻ってきた亀山薫(寺脇康文)の特命係復帰に一役買ったのが、川原和久ふんする“イタミン”こと伊丹憲一だ。20年以上同キャラクターを演じている川原がインタビューに応じ、特命係との関係性や、同キャラクターとの向き合い方について語った。

【動画】“イタミン可愛い”の反響、川原和久はどう思っている?

 亀山復帰の話を聞いた川原は、「ちょっと高揚感はありました」と当時を振り返る。「寺様(寺脇)から電話をもらって、本人からはそのときに聞いたんです。たしか彼はウォーキング中だったかと」。捜査一課の伊丹刑事は、2000年の「相棒」1作目から登場し続けており、当初から亀山とはライバル的存在だった。顔を合わせれば「特命係の亀山ぁ~」と嫌味を言いどつきあう姿は、初期の「相棒」の名物だったといえる。

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 「寺様とは『もう俺たち還暦だぜ』『空中戦とかやれんのかよ』って(笑)。劇中の設定は、まだそこまでの年にはいってないんで、我々本人たちがね……」と川原は笑う。二人はよく、ジャンプしながら肩をぶつけあったりしていた。「でも『子供かよ』って部分は、少し抑えめにしようと寺様と話しました。1年目はいい感じにできたと思います」と満足そうに語った。

 「14年ぶりであまり免疫のない方が多いと思いますし、何より周囲がそのやりとりにどう反応するのか、いろんな設定にも関わってきますからね。ここがあまりごちゃごちゃして、人のお芝居の邪魔をするのもまずいですし」

水谷豊&寺脇康文と共に「相棒」には欠かせない存在 - 写真:高野広美

 亀山とのバランスに関しては、昔から細心の注意を払ってきたという。「以前、豊さんが『事件現場だからご遺体がある、その前では少し抑えたほうがいいかも』とおっしゃってたんです。やっぱり豊さんはそういうふうに全体を見ていらっしゃるんだなと思いました。気の遣いどころが違います」と大先輩への尊敬を見せた。

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 亀山の警察復帰が伊丹の土下座のおかげだったと明らかになったのは、season21第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」。SNSでは「胸アツ!」「衝撃的」と大騒ぎだったが、川原自身は意外にも冷静だった。「監督がいい画を撮ってくださったなと思いました。あれくらいがくどくなくて、ちょうどいいバランスでした、自分的には。公園で亀山に『股ぁくぐれ』とか言ったシーンは楽しく演じられました。X(旧Twitter)のトレンドに上がったと人から聞いて、よかったと思いました」と喜びをにじませた。

 寺脇との芝居の作り方について尋ねると、「昔も今もそんなに変わってなくて、『ここをこうやっていい?』『じゃあ、こう返そうか』という感じ。それから寺様の周囲への気遣いは、昔より手厚くなっています。新しいスタッフも多いけど、みんなの名前をすぐ憶えて、しょっちゅう話しかけていますね。こっちもツッコんでみたりとかして(笑)」とほほえましい現場の様子を明かす。

season22では物語にどう絡むのか - (c)テレビ朝日・東映

 season21第8話「コイノイタミ」では、右京から伊丹への信頼がストレートに語られるシーンがあった。これまでも幾度か描かれた、伊丹の刑事としてのまっすぐさがわかる名場面だ。「演者としてはめちゃくちゃうれしいですけど、伊丹としてはもっとサラッとしているというか、『俺のこと、そんなふうに見てるんだ。でも、だからって協力はしないよ?』という感じです(笑)。小っ恥ずかしい感じはありますが、豊さんが抵抗なく演じてくださったので、ありがたいです。右京と伊丹のそういう関係性も、台本にあったり、なくても状況を見て少し芝居に混ぜてみたりしています」

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 そういった調整は、伊丹を演じる際に常に行ってきた。「脚本家さんがたくさんいらっしゃるので、いろいろな描かれ方があります。亀山とどこまでやっていいのか、(捜査一課の)山中(崇史・芹沢慶二役)や篠原(ゆき子・出雲麗音役)とどんなやりとりがいいのか。20数年、微調整を重ねて伊丹を作ってきました。その意味では、伊丹のことは任せてほしいですね」と自信を見せる。“微調整”が成立したのは、川原の芝居の力であり彼の矜恃だろう。

イタミンはまだまだ止まらない 写真:高野広美

 では、伊丹が「イタミン可愛い~!」と愛されキャラになったのも、狙い通りだったのだろうか。「愛すべきキャラクターにしようとは思いましたけど、可愛い~! は狙っていませんでした(笑)。昔は伊丹半分、川原半分という感覚で演じていましたが、今はだいぶ自分を入れ込んでいて、共通性は高いと思います。愛していただいたおかげで、スピンオフ映画『相棒シリーズ X DAY』(2013)も作っていただけましたし、活躍する回も時々いただける。エンターテインメントですから、お客さんあってです。媚びることはない絶妙なラインで、微調整しながら演じ続けたいと思っています」と現在の心境を語った。

 season22でも、伊丹は「相棒」ワールドで確固たる存在感を見せ続けるだろう。「第1話は深い推理劇みたいになっています。推理しながら見るとより楽しめるかもしれません。ぜひご覧になってください」と川原は少し照れたようにアピールしていた。(取材・文:早川あゆみ)

「相棒 season22」は10月18日水曜よる9時~テレビ朝日系でスタート(初回は拡大スペシャル)

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