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『ガンダムSEED』西川貴教、主題歌との向き合い方に変化 転機となった「INVOKE -インヴォーク-」

「ガンダムSEEDシリーズ」に数多く楽曲提供してきた西川貴教 - 写真:高野広美
「ガンダムSEEDシリーズ」に数多く楽曲提供してきた西川貴教 - 写真:高野広美

 人気アニメ「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」の最新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の主題歌「FREEDOM」を担当した西川貴教T.M.Revolution名義で『機動戦士ガンダムSEED』(2002~2003)や『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004~2005)に楽曲を多数提供してきた西川が、自身の転換点になった「ガンダムSEED」との出会いから、劇場版への思い、アニメ主題歌との向き合い方について語った。

【動画】西川貴教、『ガンダムSEED』主題歌に込めた熱き想い インタビューの様子

約20年待ち続けた劇場版

(C) 創通・サンライズ

 2005年に『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の製作が発表されてから、約20年が経過した。満を持しての劇場公開、西川もファンと共に20年間待った甲斐があったという。「2019年の『ガンダム』40周年イベント(『GUNDAM 40th FES. “LIVE-BEYOND”』)でもお話しさせていただいたのですが、その時は正直『もう一生、言い続けるネタになるのではないか』という感じでした。しかし、その裏で劇場公開に向けて制作が動いているという情報もありましたし、訝しみながら、でも期待しながら待ち続けてきた。その思いがようやく結実したという心境です」

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 主題歌「FREEDOM」は小室哲哉によるプロデュース楽曲。小室もかつて、TM NETWORKとして映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)の主題歌を担当しており、「ガンダム」と縁が深い二人による夢のタッグが実現した。「昭和、平成、令和と皆さんが紡いできたものを、ここできちんと形にしていきたい」。監督の福田己津央とも話し合いを重ねながら、『ガンダムSEED』と共に歩んだ20年間の集大成とも言える楽曲を制作した。

 「福田監督からは、『ガンダム』という歴史ある作品を通じて、今の社会情勢を反映した部分は大いにありながら、人間の愛、ラブストーリーといったコアな部分を表現したいとお話しがありました。この作品が表現しようとしている根幹的な部分を、楽曲でどのように表現していけばいいのか。そういった部分を突き詰めていきました」

「INVOKE -インヴォーク-」が大きな転機に

(C) 創通・サンライズ

 『ガンダムSEED』との出会いの曲であり、西川自身のターニングポイントになったのが、第1期OPテーマ「INVOKE -インヴォーク-」だ。「こんなにも長く、寄り添う楽曲になるとは思いもしませんでした。福田監督から、『どうしても僕と一緒にやりたい』と名指しでオファーをいただき、その思いに何としても応えたかった。今思えば、アーティスト活動の大きな転機を迎える楽曲になったと感じています」

 その後も挿入歌「Meteor -ミーティア-」や、アニメ続編『ガンダムSEED DESTINY』の第1クールOP「ignited -イグナイテッド-」、挿入歌「vestige -ヴェスティージ-」を担当した西川。ガンダム主題歌で当時の国内音楽チャートを席巻したほか、海外からも反響が届いたという。「この作品を通じて、海外でもパフォーマンスするきっかけをいただきました。2003年に初めて、アメリカでパフォーマンスをさせていただけたことが印象的です」

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 西川の楽曲は、「ガンダムSEEDシリーズ」を象徴する数々の名シーンで使用されており、20年経ってもファンの記憶に残り続けている。「これだけたくさんの楽曲を作品の中で印象深く使用していただき、また違った喜びがあります。当時の活動が『ガンダムSEED』『ガンダムSEED DESTINY』という作品といかに密接だったかはもちろん、楽曲たちを大切にして、物語を紡いでくださったことを象徴するようで、だからこそ、今回の劇場版も20年近く待つことができたと思っています」

制作陣の思いに応える…オーダーメイドな楽曲づくり

写真:高野広美

 アニメは、今や日本文化を象徴するコンテンツだ。西川は、「『ガンダム』というIP自体が(日本アニメを)牽引してきたといっても過言ではありません。この作品を通じて僕自身がその一端を担えたことは、今も非常に誇りに思っています」と感謝の気持ちを述べる。

 「今から20年~30年前は、ポピュラーミュージックのアーティストがアニメーション作品に楽曲提供することが受け入れられづらかったり、今とは状況が異なりました。『一度でいいからアニメーションの主題歌をやってみたい』とおっしゃるアーティストの方々が、こんなにも増えている現状は想像もできませんでした。その転換のきっかけになった、ある種のイノベーション作品が『ガンダムSEEDシリーズ』だったのかなと思います」

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 『ガンダムSEED』以降も多数のアニメに楽曲提供してきた西川。「こうした作品の主題歌は、応募があって、その中から選ばれるコンペティションが多い中、僕が『ガンダムSEED』以降に提供させていただいた楽曲は、ご指名をいただける機会も増えていきました」と『ガンダムSEED』をきっかけに主題歌との向き合い方も変化していった。

 「監督や制作サイドの思いを受けて、それに合った楽曲をオーダーメイドでお届けする。だからこそ、印象に残っていたり、皆さんが(作品の)象徴として挙げていただける楽曲に仕上がっていると思いますし、そこを目指して僕も作り続けています。作品に寄り添うものであると同時に、僕自身もアーティストとして今後も歌い続けられる楽曲でありたい。その両方の意図を共存させられるかということが、非常に大事だと思っています。今のアニメと主題歌のあり方というものを、ある種作ってきた自負はあります」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は全国公開中

主題歌「FREEDOM」(西川貴教 with t.komuro)は発売中(通常盤:税込1,300円)

西川貴教『ガンダムSEED』に寄り添った楽曲制作と20年の思い『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』単独インタビュー » 動画の詳細
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