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『スター・ウォーズ』重鎮コンビ、山崎貴『ゴジラ-1.0』を絶賛 マクロス&ウルトラマン…日本文化に傾倒【来日インタビュー】

来日中のジョン・ファヴロー(左)&デイヴ・フィローニ(右)
来日中のジョン・ファヴロー(左)&デイヴ・フィローニ(右)

 映画『スター・ウォーズ』シリーズの重鎮で、ドラマ「スター・ウォーズ:アソーカ」の製作総指揮を務めるデイヴ・フィローニジョン・ファヴローが、千葉・幕張メッセで開催中の公式ファンイベント「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」の会場でインタビューに応じ、『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督とルーカスフィルムで対面した時のエピソードや、幼少期から夢中になっていた日本のカルチャーについて語った。

【画像】メカゴジラのTシャツ!山崎貴&デイヴ・フィローニ奇跡の2S

 山崎監督は昨年1月、ルーカスフィルムからの招待を受け、米・サンフランシスコにある同社で『ゴジラ-1.0』の上映会に参加した。フィローニは、上映会にあわせて行われたトークショーに出席しており、『ゴジラ対メカゴジラ』のTシャツを着て山崎監督と写真も撮っている。「スター・ウォーズ セレブレーション」の初日には山崎監督も来場し、特設ステージで上映会の様子を振り返っていた。

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 フィローニは「山崎さんは素晴らしい方でした。お会いできて本当に嬉しかったです」と当時を振り返り、「『ゴジラ-1.0』は大好きな作品です。個人的には、シリーズの中でも最高傑作の一つだと思っています。私はゴジラシリーズに詳しいのですが、中でもこの作品は群を抜いています」と『ゴジラ-1.0』を絶賛する。

 「彼は初代ゴジラの精神を見事に捉えつつ、シリーズのさまざまな時代の要素をうまく取り入れていました。そして何より、キャラクターの描写が圧倒的に素晴らしかった。ゴジラそのものより、登場人物たちの物語が深く心に残るほどで、だからこそ映画は特別な力を持っていたのだと思います。そうした挑戦について話せたことは、本当に有意義でした」

ゴジラ好きを公言するデイヴ・フィローニ

 ファヴローは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を監督したJ・J・エイブラムスと共に『ゴジラ-1.0』を鑑賞したという。山崎監督が所属し、第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した映像制作プロダクション「白組」に注目しており、「ミニチュア模型から小規模な撮影ステージ、VFX制作まで、すべてが揃っています。小規模ながら、才能と献身にあふれるチームで構成されていて、本当に刺激を受けました」と笑顔で語った。

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 山崎監督は『スター・ウォーズ』好きを公言しており、フィローニは「彼は間違いなく『スター・ウォーズ』の大ファンです。『スター・ウォーズ』についても楽しく語り合いました。個人的には、彼が『スター・ウォーズ』の中で何をやりたいのか見てみたいです。こちらから『これをやってほしい』と言うのではなく、彼の創造力に任せたいです」とタッグを熱望。「とはいえ、今は次の『ゴジラ』映画でとても忙しいようで……それを聞いて私は嬉しいです。なぜなら、彼の次回作が今からとても楽しみだからです」と山崎監督が手がける『ゴジラ』新作映画に期待を寄せた。

「スター・ウォーズ:アソーカ」ディズニープラスにて独占配信中 -(C)2025 Lucasfilm Ltd.

 『スター・ウォーズ』は日本文化とつながりが深く、2人が手がける「スター・ウォーズ:アソーカ」にもその影響が見られる。主人公アソーカ・タノは、タジオジブリ製作の『もののけ姫』からインスピレーションを受けており、劇中には“木剣ジェダイ”(=ジェダイオーダー崩壊後に訓練を受けた者)という単語も登場した。

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 アソーカの生みの親であるフィローニは、幼少期から日本のメディアに多く触れる機会があったといい、1954年のオリジナル版『ゴジラ』がきっかけで日本文化に興味を持ち始めたという。「アニメ『超時空要塞マクロス』が出てきたときは衝撃でした。あれはアニメーションの概念を一変させました。それまで『アニメ=子ども向け』という認識が強かったですが、『マクロス』は『スター・ウォーズ』の実写映画に匹敵するほどドラマチックだったんです」。さらに、日本の特撮ドラマ「ウルトラマン」の創造性にも圧倒されたそうで「非常に印象深かったです。特に円谷英二さんと組んでいた成田亨さんのようなデザイナーたちの存在には強く惹かれました。ある意味で日本文化は私の趣味であり、憧れであり、深い敬意の対象なんです」と明かした。

 フローニは幼少期、父の影響で『隠し砦の三悪人』『七人の侍』など黒澤明監督映画にも触れる機会があったといい、「『マンダロリアン』シーズン2でアソーカの登場回を監督したとき、私は『これは自分なりの「用心棒」スタイルのエピソードに挑戦する絶好の機会だ』と思ったんです。もしそれができなかったら、自分はこのシリーズを続ける資格がないかもしれないというくらいの覚悟でした」と『スター・ウォーズ』にも黒澤映画の演出手法を積極的に取り入れていった。

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 “木剣(Bokken)”という言葉を採用した理由については、「世界観に現実味を持たせるためです」とフィローニ。「知らない言葉でも、調べれば意味が分かる。そういう『現実との接点』がある言葉を使うのは面白いし、映画的な深みを与えてくれます」

来日したジョン・ファヴロー

 ファヴローもまた、父の影響で黒澤映画を何本も鑑賞していた。「今のようにストリーミングサービスもDVDもなかった時代です。私はニューヨークに住んでいたので、昔の映画を上映する劇場があり、そこで『隠し砦の三悪人』を観て『これがスター・ウォーズだ』と言われました。『何を言ってるんだ?』と思いましたが、観てみると確かにその通りでした。ジョージ・ルーカスは、いつも黒澤映画の影響を語っていましたし、彼は当初、オビ=ワン・ケノービ役に三船敏郎さんを起用しようとしていたこともありました」

 『七人の侍』をはじめとする黒澤監督の作品群に出会ったことで、「西部劇と時代劇(サムライ映画)の相互的な影響関係も見えてきました」とファブロー。「だからこそ、私たちが『マンダロリアン』に取り組むときには、ジョージ・ルーカスが何をしたかだけではなく、彼が“何から影響を受けたのか”と考えたのです。ジョージ・ルーカスという“源流”をたどり、黒澤映画をはじめとした日本文化に、再び敬意を込めて光を当てています」と語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

「スター・ウォーズ:アソーカ」シーズン2は2026年にディズニープラスにて独占配信開始

「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」は4月20日まで幕張メッセにて開催中

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