「べらぼう」喜多川歌麿爆誕！明かされた壮絶な過去に衝撃
横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」（毎週日曜NHK総合よる8時～ほか）の11日放送・第18回では、かつて蔦重（横浜）の元から姿を消した少年・唐丸（渡邉斗翔）の痛ましい過去が明かされ、SNSでは衝撃を受ける声が相次いだ（※ネタバレあり。第18回の詳細に触れています）。
第18回「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」では、世に出回っている「豊章画」と記された絵を目にした蔦重が、それを描いた人物が唐丸であることを確信。彼の住処を突き止めると、目に光を失った唐丸（染谷将太）から哀しい過去を打ち明けられる。
持ち前の粘り強さで唐丸を探し出した蔦重だが、唐丸は「あの…どちらさまで？」と取り合わず追い返そうとする。しかし、そこであきらめないのが蔦重。いまでは唐丸が捨吉と名乗り、男女問わず体を売って暮らしていることを知り、「おれは好きでこうしてるんだ」「この暮らしが居心地がいいんですよ」と助けを拒む彼の心中に考えを巡らせる。そうこうするうちに、ある日、命の危険を冒した捨吉が蔦重に打ち明けたのは、想像を絶する幼少期の記憶だった。
唐丸の母は夜鷹（街娼）で貧しく、唐丸も七つを過ぎてから客を取らされていた。唐丸は望まれずに生まれた子で人別（戸籍）もなく、母になぜ生まれてきたんだと言われながら育ったという。地獄のような日々の中で出会ったのが、あやかし絵の大家・鳥山石燕（片岡鶴太郎）。唐丸は石燕の絵を真似て絵を描き始めるうちに夢中になるも、母はそれを許さず、そんな時に火事が発生。その際に唐丸は母を見捨て、命からがら逃げだした。それから「そのうちにてめえがやったことが怖くなって何もかもしまいにしたくなって……そもそも生まれてきたのが間違いだったって」と自分を責めながら生きてきた。
「俺みたいなゴミはさっさと消えちまった方がいいんだ」とうなだれる捨吉に、SNSでは「唐丸の闇が予想以上の深さでつらい」「幸せになって」「唐丸は何も悪くないよ」「蔦重に会えてよかったね」とその心中を慮る声があふれ、「母の日に地獄のエピソード」と衝撃を受ける声も。
なかでも視聴者の胸を揺さぶったのが、唐丸を救えなかったことを後悔し、何が何でも彼を守ろうとする蔦重の力強い言葉。蔦重は駿河屋（高橋克実）、女将のふじ（飯島直子）に頼み込んでさっさと人別（名は勇助）を手に入れると、歌麿という画号を授け「おまえだけじゃなく誰も助けられなかった、花魁（瀬川）も源内先生も。おまえを助けるだけで救わんのは俺でさ」「歌麿、あのときの約束守らせてくれ。おまえを当代一の絵師にする。だから死ぬな。俺のために生きてくれ」と真っすぐ目を見据えた。
「おれ、人別なんて初めてだ…」と目に輝きを取り戻し、喜びに震える歌麿。涙をにじませて“兄弟の約束”を交わす蔦重と歌麿の姿に、SNSでは「光が差した」「かっこいいな、蔦重兄さん」「いい男すぎる」「歌麿爆誕！」「命名キター」「唐丸が歌麿になった！」と歓喜の声に沸いた。
また、歌麿のために人別を入手し、駿河屋に「重三郎はあの子をずっと待ってたんだよ。そんな大事な子なんだから何があっても何とかするんじゃないのかね」と啖呵を切るふじの勇姿も「おっかさん最強」「頼りになる」「カッコ良すぎる」と視聴者を喜ばせ、“蕎麦二人羽織”という世にもくだらないプロモーションで意図せず蔦重の唐丸探しにヒントを与え、蔦重の“大芝居”に乗って歌麿を守った次郎兵衛（中村蒼）も喝采を浴びた。染谷に加え初登場となった鳥山石燕役の片岡鶴太郎も「はまり役」と好評を博した。
なお、冒頭では「番組の一部に性の表現があります」というテロップが映し出される異例の注意喚起がなされた。（石川友里恵）
